Great Spangled Weblog

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ニコンミュージアム

2019年7月13日の土曜日に行ってきた。

品川インターシティへ。

この辺はアニメ『ブラックブレット』に出た。

C棟にニコンミュージアムがある。

ニコンミュージアム到着。なお、週末は日曜が休館なので土曜日に来た次第。

入り口にどーんとある光学ガラス。これだけの大きさでもクリアに中が透き通っている。

ニコンはガラスからレンズを一貫生産している数少ない会社。もっとも、すべてのレンズがそうだというわけではない。

「科学のふしぎ写真展」という企画展示のひとつ。偏光フィルムでプラスチックが虹色に。

ニッコールレンズを初めて搭載したカメラ、ハンザキヤノンニコン日本光学)は戦前戦中は光学機器メーカーでカメラメーカーではなかった。

戦後軍からの注文がなくなり、民生品としてカメラの製造に乗り出す。苦難の末『ニコン』が評価されるようになり、続々とカメラ製品が開発される。その製品群の展示。

歴代ニコンを触れる展示もしてあって、写真はニコンFとF2。なんだかんだと言って実はFを触ったことがなかったので、ここで初めてシャッターを切る体験をした。

F3は3台も展示。奥からF3、F3HP(自分も所有)、F3/T(白)。F3/TはF3を買うときちょっと迷った。今になってみると中古価格に大差なくどっちでもよかったんだなと思う。

それはそうと、F3/Tの白は販売期間が短くレア製品。まさか触れるとは思わなかった。

伝説のFAゴールドがここにも。

世界初の一眼レフ用オートフォーカスレンズ。その後F3AFが発売される。当初イロモノ扱いされたが、搭載された80mm f/2.8レンズはけっこう評価されていた。

そして、F3AFのAFはレンズ内モーター。F501AFとF4はF3AFのレンズも駆動することができた。

冒険家植村直己に提供されたカメラ、F2ウエムラスペシャル。

高級コンパクトと水中カメラの35Ti28TiニコノスVも触れるようになっていた。

35Tiは持っている。購入数年でフィルムカウンターの針の表示がおかしくなった。この2台のカメラも針の表示がおかしくなってて苦笑した。それはそれとして、アナログメーターを備えた外観は今見てもユニーク。

そして最新のミラーレス一眼、ニコンZ7およびZ6。

ソニーのミラーレスのAFが速いのは像面位相差AFだからだけど、これはニコン1に使われていた技術をクロスライセンスで手に入れたもの。ニコンは裏面照射型センサーを手に入れた。典型的なウインウインのクロスライセンス。

ニコンの歴代の試作ボディ。

最初の試作カメラNo.6091があるかと思って改めて調べたら写ってなかった。

カメラの展示の反対側はカメラ以外の製品。写真は測量機器。

半導体の製造機器。

かつてはニコンはステッパーで経営が成り立っていて、カメラの赤字は十分吸収できると言われていた。今は半導体関係の収益はかなり厳しいらしい。

ニコンのカメラ開発のペースが最近鈍っているのは、スマホの隆盛でカメラの需要が減っている中、カメラでもきちんと利益を得るためにリソースを局限して注ぎ込んでいるためと言われる。

一方、カメラ以外の製品も、「カメラのニコン」というブランドイメージは大きい意味があると考える。これは自動車メーカーが利益としては大した額にならなくてもスポーツカーの開発に力を入れるのと似ている。スポーツカーは直接利益に寄与しなくても、企業イメージのけん引役になる。なので、不採算でもいいとは言わないが、カメラの開発をニコンは続けるべきだし、ニコン自身もそれは十分に理解していると思う。

その後、ニコン使い女子をイラストに描いてみた。

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ミリシタ2周年生配信イベント

ミリシタ2周年も秋葉原で生配信イベントがあったので行ってきた。

前回のスタンプラリーの次の週の土曜日、2019年7月6日14:30~。

アトレー南側のディスプレイ。カメラも歪曲補正ON。

ラジオ会館の前で行列ができてるの行ってみたら、EScapeのスポーツドリンクを販売していたので並んで購入。

ラジオ会館はビル全体がミリシタとコラボ中なので、各フロアに765ASの等身大パネルがある。2階は亜美真美

3階は律子。

4階は真。

あみあみのりるきゃんの衣装。

りるきゃんの等身大パネル

6階は雪歩。

7階はあずささん。

9階は伊織。

エレベーターも765AS。

8階のボークス撮影可能エリア。765ASと七尾百合子のドールが特別展示。

2周年キービジュアルのセンター、七尾百合子のドール。

春香、美希、千早、雪歩のドール。

8階のパネルは響と貴音。

5階はやよい。

アキバCOギャラリーに移動途中で、ネットで見かけた百瀬莉緒等身大パネルが。店の私物w

COギャラリーは混雑で入場制限中なのでUDXに戻ることに。

13:30ぐらいにUDXに着くと、最前列とは言わずともあんまり悪くない位置に並べたので、そこで生配信の開始を待つことに。すると青羽美咲さんの着ぐるみが。

茜ちゃん人形も登場。

などと待っていると待ち時間はあっという間に過ぎ生配信イベント開始。

詳しくはこちら。

www.famitsu.com

会場の当選者受付スペースが解除されると、さっきの待ち位置から立ち見の人がだいぶ前に移動し、前から2mぐらいの位置まで行けた。暑くてたいへんだったけど、ちょうど買ったEScapeスポーツドリンクを1本飲んで大丈夫になった。

さてこれでイベント始まったらどんなかなー、と考えているうちに6人が登場。

出演はこの2周年キービジュアルの5人、七尾百合子、北上麗花、エミリー・スチュアート、真壁瑞希、永吉昴に加えて、ロコの6人。の声を演じる伊藤美来平山笑美郁原ゆう阿部里果斉藤佑圭中村温姫の6人。それから司会のわかちこPこと狭間和歌子さんと坂上陽三プロデューサー。

まず6人で「Brand New Theater!」を披露。立ち見のプロデューサーも一気に盛り上がる。熱気ムンムンの中でコールを合わせるのは大変気持ちいい!

とはいえ、この先2時間はつらいなーと思っているとぼちぼち前線から離脱するPさんがいるので、それではと、BNTが終わった後に自分も離脱させていただいた。

U238の原子核からヘリウムの原子核が飛び出すのはこんな気分だろうか、などとよくわからない例えをしつつ、何メートルか後方へ。するとそこは余裕を持って立っていられる十分なスペースがあって、風も通り、これなら十分鑑賞できるとひと安心。ライブ会場では最低限椅子一つ分のスペースが確保されるので、あれはとてもありがたいことなのだななどと思う。

後のイベントの進行はファミ通の記事にある通り。お祝いメッセージは発信者が客席にいて喝采が上がるという場面も。そしてトークイベントでは、[ロコ×侍=カオス]という新たな発見がw

恒例のガシャチャレンジでは、ついにSSRが引けた。それも千早とロコの2枚。毎回厳正な確率理論に打ちのめされてきたが、ついに出る時が来た。確率は嘘をつかない。

2時間ほどのトークが終わって、ついにライブパート。演じたのはまず「UNION!!」。そして、今回ライブでは初披露の2周年ソング、「Flyers!!!」。「!」が1年目、2年目、3年目と増えていくと分かる。100年後は101個並ぶわけだ。

イベントが終わり解散。待ち時間含めて約3時間半立っていたけどなんとかなった。一応折りたたみ椅子も持参したが使う機会はなく。

とにかく歩いて足を動かしつつフラスタを撮影。イベント中とてもいい匂いだった。黄色と白のユリは七尾百合子/伊藤美来さん宛。

こちらはエミリー・スチュアート/郁原ゆうさん宛。

そして北上麗花平山笑美さん宛。

このときは6thの追加公演を申し込んであったけれど当落が分からない時期で、ともかく、このイベントを無事鑑賞できて、SSAのライブも行けそうだという自信が持てた。

ミリシタ2周年秋葉原スタンプラリー

ミリシタも早いものでサービス開始から2年。福岡公演初日をLVで観賞した翌日、2019年6月30日に、秋葉原で実施中の2周年イベントに行ってきた。

秋葉原駅から改札を出るとアトレーがコラボ中。

アトレー北側のパネル。

アトレーで台紙をいただきスタンプラリースタート。

コラボユニット、ピコピコプラネッツのスタンプをドン。

ラジオ会館に移動。ここはビル全体がミリオンとコラボ中。エスカレーターもこの通り。

各店舗にアイドルの等身大パネル

あみあみ秋葉原ラジオ会館店のコラボユニット、りるきゃんのスタンプをドン。90°曲がってたw

雑誌りるきゃんの現物イメージが展示中。仙台公演のユニット衣装も展示。

次にコトブキヤに移動。

エスカレーターのロコちゃんにドキドキ。

コラボユニット、Jelly Pop Beansをドン。

5階はミリオンライブの様々な展示が行われていた。テーブルにはJelly Pop Beansをイメージした展示が。

ロコのキャンバスはまだ真っ白。

5階出口近くはトゥインクルリズムの展示。

エスカレーターを降りると4階でJelly Pop Beansの等身大パネル

スマホ見ながらホワイトボードにロコちゃん描いてきました。

アニON STATION AKIHABARA本店に移動。CharlotteCharlotteのスタンプをドン。

奥のお姫様な展示。

アニメイトに移動。

ここは店員さんにD/Zealと☆STAR ELEMENTSのスタンプを押してもらい、台紙のスタンプをコンプ。

神戸公演で山崎はるか種田梨沙木戸衣吹が来ていた衣装。

換算18mmの超広角レンズに変えてD/Zealのディスプレイを撮影。後で確認したら歪曲補正のオプションが切ってあったw

そしてアキバCOギャラリーで景品のクリアフォルダーをいただく。ありがとうございます。

アキバCOギャラリーはこのときは空いててすぐ入れた。写真はミリオン商事とコラボしたシャンパン。コラボ商品としては良心的な価格。

奥では等身大パネルと、仙台公演で使われた4 LuxuryとClearskyの衣装の展示。

アトレーに戻って2階、3階を見て回る。2階にコラボユニット、ピコプラネッツの等身大パネルが。

1階でおみやげを買って帰宅。

買ったのは2周年マカロン

カロンは神戸のア・ラ・カンパーニュという菓子店のもの。

常時販売してほしいぐらい美味しかった。

www.alacampagne.jp

そして次の週は生配信です。

エガオノダイカ

2019年1月アニメで『エガオノダイカ』というのがあった。全12話。最終話が放送されたあたりからニコニコ動画を見てたら度々言及されるので、なんだろうと思いネット配信を見てみた。以下そのレビュー。ネタバレあり。

egaonodaika.com

1話のストーリーはこんな感じ。

地球からはるか遠くの移民星。そこにあるソレイユ王国の12歳のお姫様、ユウキ・ソレイユが主人公。彼女の両親である先代の国王および王妃は12年前に事故で亡くなっている。しかし、頼れる側近たちと、幼馴染で駆け出しの騎士のヨシュアがいる。12歳の誕生日を機にユウキ姫は公務に携わるようになった。まずは北に隣接するグランディーガ帝国との難しい交渉を解決しなければならない。そのためにヨシュア達騎士団を国境の州に向かわせる。

話の鍵は「クラルス・エンジン」という空間から無尽蔵に得られるクリーンエネルギーで、ソレイユ王国では「新型クラルス」を実用化し、帝国を一歩リードしている。新型クラルスはロボットに搭載され、その強力なロボットにヨシュアが乗る。

「お姫様と騎士のロボットアニメ」、こんなPV見たらハイティーン向けの作品で私らは見なくてもいいな、と普通思うよね。

www.youtube.com

で遅れて視聴したところ、とんだ詐欺アニメだった。ミリタリー大好きおじさんも大満足の迫真の戦争アニメだったという。

どこで「詐欺アニメ」と分かるかというと2話の最後。そもそもソレイユ王国と帝国は1話の時点で戦闘状態にあり、「交渉」と言って辺境に向かったヨシュアら騎士は大規模な戦闘に直面する。ボロボロになって戻ってきたロボットの母船的ホバーに「実は戦闘になってました」と明かされる姫は、「たった今息を引き取りました」というヨシュアの遺体に直面する。

1話のラストのOPで予兆があって、紅白の派手な色使いの王国側に対し、青系統で地味だけどなかなか魅力的な感じのポニーテールの女性兵士が出てくる。OPの最後の方では彼女がユウキ姫と二人ペアで登場し、どうやらこの二人のヒロインを軸に話が進むと想像される。しかし、1話時点じゃ彼女がどう描かれるのかまったく分からない。

とにかく、2話までに分かることは、ソレイユ王国は「トップに情報を上げない腐敗した国家」、お姫様は王としての資質はあるがまだお子様、「気合と根性」で力技で物事を解決しようとするイケメンだけど暑苦しい騎士はすぐ死ぬ。見た目がイケてるユニ&ルネの双子はけっこうちゃんとした騎士。あと、この星ではクラルス・エンジンが主要なエネルギー源だけど、それをもってしても空を飛べない。

そして3話。視点がグランディーガ帝国になる。なんと戦争が先に進んでて北の国境は既に帝国に破られ、場面は帝国に占領されたソレイユ王国。そこでまだ占領が終わっていない地区にある新型クラルスの動力炉を奪取せよ、という命令が、青髪ポニテお姉さんのいる分隊に下る。分隊はロボットとトラックで敵地に潜入し、ポニテお姉さんは分隊長らと市民に扮して状況を探る。

なんとマジな戦争もの。もちろんアニメだから若年層向けのアレンジはしてあるが。何か裏がありそうな女性兵士のステラ、顔に大きい傷のある、これまた裏がありそうなおっさんの分隊長、とってもかわいいリリィちゃん、他にいかにも戦地にいそうな若者の兵士たち。

潜入工作は普通に戦争ドラマで、作戦は遂行するが、その際被害に合わないように、そこで知り合った孤児たちを分隊は市街地の外に脱出させる。とはいえ、孤児たちにとって彼らは親の敵であり、銃で脅されて移送されたこともあり、子供らは捨て台詞を吐いて分隊から立ち去る。

作戦は成功して、分隊は無事1日を終え、次の朝が来た。

ちょっと待って。ソレイユ王国が完全に「敵」扱いで、お姫様とか一切出ない件。

これは戦争ものとしてスタッフがこだわった演出。以後ほぼ1話ごとに交互に王国と帝国の視点で描かれ、その際敵の登場は本当に「敵」として描かれる。戦争ではときに主人公が正義で敵が悪であるという単純な図式に落とし込むことがあるが、この作品は徹底してソレイユ王国の王女とグランディーガ帝国の女性兵士を「平等」に描いている。

話が進むごとにソレイユ王国は負けが込んできて、ついに首都を放棄して後方の都市に王室を逃亡させる。一方帝国はソレイユ王国を次々と攻略し、ついに王宮で宴会までやるほどに。「主人公」だったはずの側がここまで負け続けるというのは珍しいと思う。

ガンダムは序盤ホワイトベースが避難船になるが、ガンダム等のモビルスーツという超兵器があった。この作品では王国のロボットは「ちょっと強い」程度。しかも王国は「王女の戦闘指揮が誤っていた」、「側近が王女を欺いて首都を脱出させた」という徹底したダメな負けぶり。「王女が勉強してまともな指揮ができるようなったが物量に圧倒されゲリラ的に戦うしかできない」という頑張りも見せるが、既に戦力差はどうにもならず。

むしろ、帝国の分隊の方が人間味があり、どうしてもこっちに感情移入してしまう。

PVではまさか敵の方が親しみが持てる連中とか思わないわけで、全く本当に詐欺アニメ。

王国と帝国を交互に描いて話が進むうち、今の大変な状況を一変させ、戦争を終わらせる手段をユウキ姫はついに手にする。そして話はクライマックスへ。

この最後の最後でようやく、ユウキ姫と帝国の兵士、ステラが出会い、戦いを終わらせるためにともに手を取って行動する。

この辺が割りと超展開ぽいので評判が悪かったのもあるかもしれない。

話の解決策は、クラルス・エンジンは使えば使うほど惑星の環境を悪化させる、という真相の発見が決め手となる。便利なクラルス・エンジンはこの惑星の居住可能性とトレードオフだった。

そしてクラルス・エンジンを放棄したところ、緑だった空が清々しい青空になり、空に鳥が舞い、作物も育つようになって、争いの手段も原因も取り除けました、というまとめ。ユウキ姫とステラは深い友達に。

ここは、かなり意図的に、クラルス・エンジンを強制停止させた後の惑星の状況の、「いい所」だけを切り取って見せている。ステラがクラルス・エンジンを捨てたら争いが終わったとしても、人はまともに暮らせないと訴える。実際、いろいろなところで悲しいことが起きていたはずだ。現代人が電力を放棄するのに等しいことだから。

しかし、ステラのセリフを忘れないで注意して見れば場面の取捨選択も分かるし、戦争の実態も、全12話に入るように大幅に省略して描かれているのだと想像もできる。

ということで、詐欺アニメというイロモノ要素はあるものの、実は割りとちゃんとした戦争アニメで、普遍的なメッセージも込められているのが分かる。この作品は「成功した作品」であり、作者が意図したものを描けていない、あるいは作者がまともな意図を持っていない、といった「駄作」ではない。

ただ、どうも全般的に地味で、華がない。あとときどき作画がおかしい。何年か経ってもまだ語り継ぐ人がいる、という作品にはなりそうにない。

でも、私個人としては、こういうろくに話題にもならない作品が実は見るべきものがあったというのは大好きなので、こうしてブログをまとめる気になった。

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次こそミリオンの話します。

エガオノカナタ

エガオノカナタ

ミリオンライブ6th福岡公演初日(LV鑑賞)

ミリオン6thツアー、最終の福岡公演は神戸から一ヶ月以上空けた6月29日、30日の2日間。初日はなんと、ミリシタのゲームがリリースされてちょうど2周年。

ライブビューイングの案内が来たので見に行ったら上映館が大幅に増えていて、ついに自宅の近くの劇場に席がとれた。車ですぐの場所で行き帰りに電車を待たなくていい。というかこんな埼玉の端にプロデューサーが本当に集まるのかと不安に思うほど。

そして当日。車移動なので開場まで中でミリシタをやりつつ待機。10分前の開場で映画館へ。

劇場を大量に抑えたとはいえ、一番大きい上映室ではなく、結局ここは満員にはならなかった。事前申し込みで何人来るか把握できるからあとは興行側のノウハウで上映室を適切に選ぶようだ。

空席があるとは言えそれは最前列とかで、事前申し込みの自分らはスクリーンが真正面の映画を見るのに絶好の席。再び歪まないスクリーンを見られるときがきた。

会場の様子が既に映されていて騎士団7つの誓いのパーカーが大写しになったり、劇場でかかってる曲(確かBlue Symphony)にコールが上がって時間に。

ミリシタリリースの日は事務員青羽美咲さんの誕生日でもある。2週年おめでとうの声に誕生日おめでとうの声も。

そして「FairyTaleじゃいられない」で13人全員登場。続いて青羽さん司会の番組、UNI-ON@IR!!!!フェアリーステーションが始まる。

ユニットはまずD/Zealの田所あずさと愛美。ジュリアが福岡出身という設定なので凱旋ライブでもあり、次に「流星群」を演奏。それからトークでアコースティックにいくという流れに。見る間に田所あずさがイヤモニを外す。これはほんとうに愛美のギターを聞かないと歌えない。そして「SING MY SONG」と「餞の鳥」を見事に歌い上げた。

次は夜想令嬢。「昏き星、遠い月」を時間いっぱい使った歌劇の中で演奏。D/Zealとは違う方向から圧倒された。

3番目はEScape。6thはMTGユニット全員がゲームの衣装を着ると分かってから期待が高まっていたユニット。青系のショートパンツの衣装は「アンドロイド」という設定を活かした独特のデザイン。

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そして実際に阿部里果雨宮天、南早紀が着て登場。二の腕はゲームと違い青い袖が追加になったが、それ以外はなかなかの再現度。ふとももがまぶしい。

1曲目はユニット曲のカップリングの「 I.D~EScape from Utopia」。次に「Mythmaker」でトーク。その後にユニット曲「Melty Fantasia」を歌い、最後に「LOST」を歌った。この曲の最後に3人が床に横になり、スクリーンは上からのカメラ視点になる。なんとユニットのキービジュアルを再現。

ちょっとしっとりしてから明るいノリで最後のユニットはJelly PoP Beans。赤い帽子とミニスカワンピースがまぶしい。ユニット曲「月曜日のクリームソーダ」はタップダンスといっしょに歌うという豪華さ。

そして後半のソロ曲ユニット曲パート。

初日のソロは山口立花子「Border LINE→→→♡」、中村温姫「STEREOPHONIC ISOTONIC」、戸田めぐみ「Oli Oli DISCO」、南早紀「瑠璃色金魚と花菖蒲」、愛美「スタートリップ」、阿部里果「Silent Joker」、小岩井ことり「鳥籠スクリプチュア」の7曲。そう、騎士団7つの近いは初日なのだった。

ユニット曲もノリのいい曲が続き、衛星通信でリモートで見ていてる会場も十分盛り上がった。辺境の小さな上映室も確かにプロデューサーが熱中する空間になることが理解できた。

最後に全員が「DIAMOND DAYS」を歌って一旦終了。アンコールまでしばし休憩。

アンコールは全員がヌーベル・トリコロールに着替えて再登場して「UNION!!」。会場も一気に盛り上がる。

続いて全員のトーク。5thでうっかり泣いちゃった戸田さんが「バックステージで泣けば舞台で泣かない」と今回は余裕の笑顔。かと思ったら隣で中村温姫が感極まって泣いてしまうというハプニング。応援の声があがり、こちらもつられて泣いてしまった。6thツアーの一番のヒロインはロコかもしれない。そんなことをふと思った。

そして最後の最後に「Brand New Theater!」で幕。やっぱりみんなニコニコしながら劇場の外へ。ちょっとしっとりした天気の中を自分も車を運転して自宅に戻った。

翌日はLVを見る予定は入れてなかったので、羽田空港までぱぱっと行ってちょうど来てるエアバスA400Mを撮影し、帰りに秋葉原に寄ってミリシタ2周年スタンプラリーを回った。

それで一応充実して帰って、そろそろ2日目も終わりだなーと思ったら大ニュース。

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まさかのさいたまスーパーアリーナで追加公演。先行予約は7月1日から。「!!!!」とドッキリマークが4個あったのはこれが控えていたのか!

思いつきでSSAを土日押さえるとか不可能なので、最初から追加公演ありきで進んでいたのだろうし、ミリオンのアイドルは土日のSSAを両日満杯にする実力を確かに持っている。これは予約するしかない!!!! という最後の最後に大どんでん返しとなった。

なお、先行予約の結果はもう来てて、大胆に2日申し込んだら1日落選して9月21日だけ行けることになった。それでもかなり楽しみ。実はどちらかしか行けないなら初日、と、出演ユニットを見て決めていた。ここにはなんか運命めいたものを感じる。

ミリオンのイベントは6thの3会場の公演はまだまだ途中の通過点。次は秋葉原の2週年イベントについて書きます。

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Melty Fantasia

Melty Fantasia

ミリオンライブ6th神戸公演初日(LV鑑賞)

ミリオン6thツアーの神戸公演。5月18日、19日開催。18日に行ってきた。

LV申し込みが年度末だったのでバタバタしてるあいだに申し込み期限を過ぎてしまった。どうしたものかと思ったらe+のメールで席がまだありますよという情報。まさかと思いリンク先に飛んだら、LV会場が大幅拡充されてる。というわけで空席があるユナイテッド・シネマ浦和に応募。

あきらめていた神戸公演をおかげさまで見ることができた。座席はかなり前の左端。映画を見るならまず選ばない席。しかしLVなら見られるだけありがたい。

ライブは現地とLVでそれぞれ一長一短がある。リアルタイムで生の歌やダンスを見られるのは現地ならでは。しかし、会場が大きければ前の席は確率的にほぼ取れず、双眼鏡でも人相がやっと分かるといった距離になってしまう。

LVではカメラが大映しにしてくれるので、これは圧倒的によく見える。しかし、一方でカメラに映らないものは見えないということでもある。舞台には大きいスクリーンがあっていろいろ文字や絵が映るが、LVではその全体は分からない。

今回はそのアイドルが大映しで見られるLVの最前線の席というw

神戸会場はUNI-ON@IR!!!!の神戸Princess STATIONということで全員が歌う『Princess Be Ambitious!!』からスタート。全員で「トゥインクルリズム」、「閃光☆HANABI団」、「CharlotteCharlotte」、「STAR ELEMENTS」の4ユニットを構成するのでそれぞれの衣装を着ている。

続いて前半戦、青羽さんがナレーションの音楽番組UNI-ON@IR!!!!の体裁で4ユニットのパート。

最初がSTAR ELEMENTSで、「Episode. Tiara」に続いてなんと3人がマイクを前に台本を持ってアフレコ演技。内容はCDに入っているドラマの一部を先行発表らしかった。もちろん3人ともプロパーの声優なので聞きごたえ十分な演技。中でも木戸衣吹矢吹可奈が演じる演技は悪役キャラが迫真で鳥肌ものだった。

ミリオンはアイドルも中の人も和気あいあいな雰囲気がとてもいいけど、「アイドルが演じている演技」は話が別で、かなりギスギスに攻めた話もあるんだなーとか思った。

初日は種田さんのブーツのリボンがとれるトラブルも。

写真は後日秋葉原アニメイトに展示された衣装。

続いてドールケースからフリフリの衣装でCharlotteCharlotteが登場。その次はトゥインクルリズム。武器が気合入ってるけど、あくまでTV業界のパロというのが徹底している。極めつけは「Tomorrow Program」で、歌詞に合わせてモニターにメタなネタが流れ会場大笑い。

トリは閃光☆HANABI団。ゲームの衣装から3人がパンツに変更。演奏には和太鼓奏者の「梵天」がゲスト出演。「咲くは浮世の君花火」で番組終了。

後半戦はプリンセススターズのソロ曲ユニット曲。初日のソロは浜崎奈々が神戸凱旋で「WE ARE ONE!!」を熱唱。駒形友梨は「Only One Second」、木戸衣吹は「あめにうたおう♪」、種田梨沙は「朝焼けのクレッシェンド」、大関英里の「満腹至極フルコォス」で村川梨衣「チョー↑元気Show☆アイドルch@ng!」、諏訪彩花の「プリンセス・アラモード」の7曲。「あめにうたおう♪」は6thではプロデューサーも準備万端で盛り上がり、種田さんの「朝焼けのクレッシェンド」の独特の声の回し方にああこれが種田さんだなどと思ったりした。

最後の曲は全員で「DIAMOND DAYS」。しばらく着替え時間でアンコールは全員がヌーベル・トリコロールにて登場。ここは各ステージ共通の「UNION!!」、全員トークに締めが「Brand New Theater!」。

会場が端の方だと盛り上がりはどうかと不安があったが、確かに中央との温度差はなくはないが、中央のノリに合わせても別に誰から嫌な顔をされるわけでもなく、どの席もそれぞれの形で楽しんでるように見えた。で終わるとやはりみんなニコニコ。「あー来てよかったなー」とまた思った。

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THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 17 STAR ELEMENTS

THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 17 STAR ELEMENTS

H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-

花田十輝という作家は、限られたアニメの脚本家の中でも、最も有名な脚本家の一人。2018年の1月期はオリジナルアニメ『宇宙よりも遠い場所』のシリーズ構成・脚本を担当し、高く評価された。その後も『やがて君になる』などの話題作の脚本を書いている。

ちょうどその10年前、2008年の1月期に放送されたのがこのエロゲ原作のアニメ、『H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-』。略して『H2O』

とりあえず録画してみたら冒頭美少女が男子に何発も殴られ、OP曲はちょっといいな、と思ったら、学校で盲目の主人公が委員長のおしりを杖でつっついている。

「なんだこれ??」

となって2話以降見るのをやめた。

その後3月。最終回が放送されるとネットがにぎやかになった。最終回が「超展開」で炎上した。

以後しばらく、「花田十輝」とクレジットされたアニメは何かとアンチがつくようになった。それが目立たなくなったのは2010年の『けいおん!!』で神脚本を連発してから。またたく間に呼び名が「花田先生」に変わった。

自分は周りが叩いているからと尻馬に乗って何かを叩くのは好きではない。悪評が立つならそれがどんなものか、それをこの目で見てから判断したい。

『H2O』は放送の翌年、2009年にネット配信でまとめて見た。その印象は「思ったより悪くない」

で、今週、その10年後にまた一通り見た。その感想は「すごくいい」。

「花田脚本」と呼ぶべき作家性がそこにあり、『超展開』は狙って仕込んだものだと理解した。

以後このアニメについて語る。ネタバレあり。気になる人はネット配信を。例えばこちら。

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ストーリーをかいつまんで説明するとこんな感じ。琢磨とはやみにフォーカスして書いてる。

母親の自殺がきっかけで視力をなくした少年、弘瀬琢磨が、母の実家の村で叔父に預けられる。病気療養のためという。村の中学校に転校し、同じクラスの小日向はやみ、委員長の神楽ひなた、子分を従えた田端ゆいらと知り合う。そして、不思議と目が見えるようになる。

クラスでいじめにあっていたはやみは、村はずれに一人で暮らしている。はやみはそんな仕打ちを受けるような人ではないと、彼女と強引に仲良くしようとする琢磨。はやみはやがて琢磨とうちとけ、ひなたや他のクラスメートとも関係が改善する。

しかし、はやみを孤独に追いやった村の大人たちが琢磨とはやみを追い詰める。小日向家は傲慢さで村人からうとまれており、神楽家や田端家が村人を率いて小日向家を焼いた。琢磨にも、母を自殺に追いやったのは小日向家だと告げる。ひなたも琢磨から距離を置こうとする。

母を失って以来やり場を失っていた気持ちをはやみにぶつける琢磨。母が追い詰められた真相を村の人々から知り、やがて心を閉ざしてしまう。ふたたび目は見えなくなり、心も幼児に退行してしまう。そして、はやみを母親と勘違いして慕うようになる。

弘瀬家は琢磨を東京に戻すことにし、はやみは琢磨の母親代わりに一緒に暮らすことにする。そして二人だけの東京の生活に慣れたころ、はやみは以前、琢磨の母がそうしたのと同じように踏切に誤って入った子供を助けようとし、通り過ぎる電車の向こうに消える。

数年後、意識も視力も取り戻し青年に育った琢磨は、叔父やかつての仲間と村にある丘の上に風車を建てる。すると、成長した姿のはやみが、琢磨の前に現れた。

大人たちの息苦しい関係に閉じ込められた少年・少女が自我を確立し、個々の大人として育つ物語。それを琢磨とはやみの恋愛を軸に描いている。母の死に囚われた琢磨は果てしない時間を費やしながら成長し、ついに、一人の女性としてのはやみと再会する。

短くまとめるとそういう話。

閉塞的な大人たちの世界として、村の描写は徹底している。農地の半分は神楽家、半分は田端家のものであり、その他の家の農民は小作農ということになる。農地解放なき世界。しかも、小日向家を焼いても警察沙汰にもならない。雛見沢村もかくやという。

家を焼かれた小日向家の住人はバラバラに村を離れたが、ひなただけは、吊橋を渡った先にある廃材置き場的なところで一人で住んでいる。廃棄されたロープウェイのゴンドラ2台がはやみの家。村で虐げられることが分かっていても、なぜかそこではやみは暮らしている。

前半は委員長の神楽ひなたとはやみの関係が描かれる。神楽家は弘瀬家がかなりの家柄と知り、娘のひなたを琢磨に近づけさせる。しかし、ひなたは1)昔はやみと親友だった2)実は自分は「ひなた」ではなく、死んだとされた妹の「ほたる」である、というややこしい状況から祖父の思い通りに動かない。まずはほたるが神楽家から自立し、はやみとの友情を取り戻し、「ほたる」の名前も取り戻す。

優秀な兄弟が死に、自分が無理をしてその人の代わりをつとめる。『Angel Beats!』でもこんなキャラいたような。それはともかく、姉になりすますことを強要され、親友の家を焼かれ、常に無理をさせられているほたるが自分を取り戻すところが第一のカタルシス

そして祭りの夜、琢磨は母の思い出の鈴をはやみに渡し、はやみは鈴を身に着け、月明かりの丘で互いに好きだと告白する。こうして、琢磨の周りで望ましい人間関係が確立する。

しかし、10話から事態は不幸な方向に転がりだす。神楽家、ほたるの祖父が琢磨とはやみの前に現れ、琢磨の母が死んだのは小日向家のせいだと告げる。琢磨の母は小日向家に嫁ぐことが決まっていた。しかし、彼女は琢磨の父(弘瀬家)と出会い、駆け落ちした。小日向家は琢磨の母を追い詰め、自殺に追いやったという。

年寄りの言うことなど気にしないという琢磨だったが、叔父からも話を聞き、やがてまた母の死という暗い過去に囚われてゆく。

自分の家が琢磨の母を奪ったと知ったはやみは、自暴自棄になり、台風の中、あえて自分から村人(というかゆいの子分AB)に殴られるような行動に走る(ここが1話アバン)。子分ABは田んぼの様子を見に来た(w)ゆいに止められ、はやみは起き上がり立ち去る。

そして彼女を探しに外に出ていた琢磨に会い、琢磨をわざと怒らせて殴らせる。

ここははやみが自分を消そうとした、という行動に見える。子分AB相手では完遂しなかったが、琢磨を逆上させたことでその思いは遂げることができた、そう思ったのではないかと思う。

しかし、ことが終わってみると消えていたのははやみが知っている中学生の琢磨だった。

はやみが村に残り、村人からいじめられる日々を送っていたのは、実ははやみなりの復讐だった。村人の怒りを受け止めることで、村人に終わりのない罪を続けさせる。ならば、村人もはやみに対しある一線を超えないようふるまっていたことも納得がいく。

しかし、弘瀬家に「ひなた」を嫁がせたい神楽家はついに実力ではやみを排除しようとする。そして、それを阻止し、はやみの命を救ったのは琢磨だった。琢磨は母を救いたい一心で、母だと思ってはやみを救った。

一方、神楽家の殺人計画はほたるが通報して社会の知るところに。

そうして、幼児退行した琢磨の保護者としてはやみは東京に移り、決して望ましい形ではないけれど、琢磨とのつつましい生活が始まる。ようやく村を離れ、自分たちの暮らしをすることができるようになった(ここまで父親および弘瀬家が積極的に関わってきていないことで、琢磨の家の方も神楽家と大差ないことが察せられる)。

やがて時が来たとはやみは悟ったのだろう。琢磨の母が死んだのと同じ踏切に来て、彼女がなぜ死ななければならなかったかを琢磨に説明する。琢磨は全てを受け入れ、やがて自立した一人の大人となり、一人の女性としてのはやみを受け入れた。

と、ストーリーをつらつらと書いてしまった。

実は12話の本当の超展開は、はやみが死んだ(と琢磨には思えてしまった)ところ。そこははやみが死ぬべき流れではない。

ただ、2~11話まで目が見えていたはずの琢磨が実はずっと目が見えてなかったという驚きの展開があったりしたものだから、視聴者的も、「はやみが死んだぞ、この人でなし!」とうっかり騙されてしまった。

初見でも「はやみ死んでなくね?」と思い、某掲示板の懐アニ板でも同様の説を目にし、「だよなー」とか思った。

改めて見ると、やっぱり、「これ、『死んだ』と思ってるの琢磨だけだ」と再確認することになった。

確かにその後の場面の流れははやみが「死んで」るんだけど、誰一人、はやみが「死んだ」と明言していない。

ほたるが喪服らしい黒い着物を着て、はやみが住んでいたゴンドラの焼け跡から日記帳を見つけたりするけど、はやみが死んだからと村で葬式挙げるか? 村八分だから火事と葬式だけは面倒見たのか? でも火事については火をつけてたよね、ということで、あの喪服は祖父の葬式だろうと思い至った。

なので、「精霊会議」は超展開ではなく、琢磨が自立した個として、ようやくはやみを受け入れることができるようになったという知らせであり、そしてやっと、どこかそばに寄り添っていたはやみの存在に気付くことができた。そんなラストシーンなのだと思う。

そもそも精霊の音羽が、琢磨の他者として存在しているように見えない。確かに見た目は死んだ方の神楽ひなただけど、そういう割にほたるにも見えてない。音羽は『がっこうぐらし!』のめぐねぇのように、主人公の心に残る「まともな自分」が姿を変えて現れていたのだと思う。

決して、「精霊会議」は流れがおかしいストーリーを強引につじつま合わせする都合のいいアイテムではない。はやみは琢磨に母の死を受け入れさせ、その後に一人の女性として、自立した琢磨に受け入れられる。その展開は必然だ。ただ、もっともぶっとんだルートが「精霊会議」だっただけに過ぎない。

逆に、一番あり得ない、でもインパクトがあり、振り返るとこれが一番に見えてくる。そういうギリギリの線を狙って作ったのが、あの「超展開」だったのではないかと思う。何しろ、幼児退行した主人公が母の死を受け入れ、自立する、という流れだ。その間に成人になるぐらい時間がかかっても不思議ではない。「精霊会議」はなんと、その長い長い時間の流れも「自然」に説明してしまう。

宇宙よりも遠い場所』ではいくつか、視聴者を信じて投げたと思しき展開がある。5話でめぐみがキマリにしたことを白状し、モヤモヤした気持ちを南極まで持って行かせたこと。衛星中継で友達面してきた陸上部の面々に「これ以上かかわるな」と言って拒絶したことなどなど。どれも『宇宙よりも遠い場所』を名作にしている展開だが、視聴者に受け入れられると信じていればこその思い切った判断でもある。

『H2O』も、もしかしたらそういう視聴者との共犯関係ができあがってきたとき、再評価されるかもしれない。

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星空アンサンブル

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