大規模な災害には自衛隊(軍隊)の出動が欠かせない.
戦場での行動を前提とした軍隊はインフラが破壊された災害現場でも行動できる.そして,その人力と装備は災害救助や被災地の支援に活用できる.
- 飛行機・ヘリコプターをたくさん持っている
- インフラが無くても活動できる
- 大量の人員を集中できる
そして自衛隊(軍隊)が高い自己完結性を持つことも優位性の一つ.
このほか,大人数で派遣されても寝食の面倒は自分で見られるため,災害現場にかける負担は最小限とできることも無視できない.自己完結した組織として兵站を内包していることも,消防や警察などとの大きく異なる点.
紛争地帯での人道支援に軍隊が向いているというのも,一つは自分の身を守ることができるということもあるし,もう一つは,自己完結型の組織だというのも大きい.
例えば食うや食わずの難民が避難している所に,非軍事組織が行って自分の寝食と安全を確保するのは難しい.そのような場所に補給支援能力と自己防衛能力をもって展開できる組織は軍隊をおいて他にない.
まず軍隊が進出し,現地の安定を創出できればNGOなど非軍事組織の出番が来る.災害現場で軍隊とそれ以外の組織が協調できるように,紛争地帯でも軍隊と非軍事組織は協調できる.
一部でなされている軍隊かNGOかという二者択一の議論はおかしい.
また,自衛隊の代わりに災害救助隊をというのも,結局あまり現実的ではない.有事に備えて保持している組織だからこそ,災害時にも有効に活用できるし,逆に,災害救助隊は災害がない時に何をしているのか? 彼らに武器を持たせて防衛や国際貢献にあたらせれば無駄がなくてよかろう.自衛隊と別組織とする必要はない.そして,防衛,災害派遣,人道支援.いずれの任務も「人助け」という点で共通している.
じっさい災害救助に自衛隊が出動した地域では自衛隊への評判が良いようです。
助けてもらったのですから当然ですがそういう人たちが自衛隊の
軍隊という真の顔を何処まで考えた上で評価しているかは
別物のようです。
軍隊は人助けが仕事なので,助けられて感謝することはまっとうな評価.災害派遣で自衛隊の評価が上がるのは任務の結果であって,決して「宣伝活動」ではない.
災害の多発した今年,自衛隊に敬意を表しつつ.