自民党憲法改正案

自民党憲法改正案の6月10日付の全文が例えばJANJANに出ている.まだ「自衛軍」とか「徴兵制の禁止」とかには言及していない.

http://www.janjan.jp/government/0406/0406266100/2.php

ざっと読んでみたが一部の人々が猛烈にかみついてきそうな内容で興味深い.

教育勅語では「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません」という部分が「教え子を戦場に送るのか!」などと批判されている.

自民党憲法改正案ではこれ。


○国の防衛及び非常事態における国民の協力義務を設けるべきである。

国民の権利が制限され,戦後求められなかった義務を求められることになるので相応の反発が予想される.

しかし,非常事態に自由をある程度制限し,団結を求めるのは国家などの集団が生き残るためにはむしろ当り前のこと.国が生き残るからこそ人権も自由も守られる.非常時に何かを犠牲にせざるをえなかった場合は,非常事態が終ってから国などから補償を受けられるような制度をもうけるべきで,国民に義務を求めることそのものを否定するべきではない.

もっとも,権利が制限されることを無条件によしとはできない.この場合用心すべきなのは,非常事態でもないのに「これは国家の非常時だ!」などと言われて不当に国民が搾取されること.

いわゆるリベラルな方々の言い分は,そのような国家の暴走を懸念するあまり,非常時に生き残るための方策まで否定してしまっているところに問題がある.

そして,「生存を否定している」という自説の欠点を補うために種々の珍説が出てくるわけである.曰く「軍事力を放棄すれば侵略されない」「軍事力は戦争を抑止しない」「個人の自衛権は認めるが国家として軍事力を持つのはよくない」「戦争と災害をいっしょにするな」など.

なかでも「日本を戦争できる国にする」という批判はひとつの典型だろう.それ自体が悪いとは思えない.非常時に生き残るためには戦争もやむをえない場合もあろう.侵略されたら座して死を待つわけにはいかない.防ぐべきものは軍部が暴走することや政治家が道を誤って無謀な戦争をはじめることであって,生き残ることを放棄することではない.

こう考えると,今回の憲法改正案でもっとも評価すべきことは以下の部分かもしれない.そして,「継続性」に十分言及していないことは現行憲法の欠点の一つと言える.


○国を守り、育て、次世代に受け継ぐ、という意味での「継続性」を盛り込むべきである。