自衛隊のいるところは非戦闘地域

11月10日の朝日新聞記事.


 小泉首相は10日、民主党岡田代表との党首討論で、イラク復興支援特措法が定める「非戦闘地域」の定義について、「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」との説明を繰り返した。イラク全土に非常事態宣言が出され、米軍などが中部ファルージャ武装勢力に対して大規模攻勢を続ける中で、岡田代表自衛隊が駐留するサマワの状況に関する認識を尋ねたが、首相は説明を避けた。

 首相はこれまでも「どこが戦闘地域で、どこが非戦闘地域か、日本の首相にわかる方がおかしい」などと、非戦闘地域の具体的な根拠を示してこなかったが、この日の答弁で、説明不足ぶりがさらに浮き彫りになった形だ。

この「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」という発言が石破長官の発言とごっちゃになって独り歩きを始めたらしい.ネットでは「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域」とは何事かという記事が多数見られる.

すなわち,自衛隊を送ったことにより非戦闘地域であることが既成事実化している.本当はサマワも戦闘地域なのではないかと問われている.

石破長官の発言は2003年12月5日になされたもので内容は以下のとおり.


 石破茂防衛庁長官は5日夜の民放の報道番組で、イラク自衛隊を派遣する際の条件となっている「非戦闘地域」について「自衛隊の行く所、活動する所が非戦闘地域だ」と述べた。イラク復興支援特別法上の「非戦闘地域」という考え方が、治安の実態よりも観念的な概念であることを事実上認めた。

 さらに「自衛隊の活動が憲法の枠内で行う、ということが、非戦闘地域という意味だ。安全な所などとは一度も言ったことがない」と強調した。

 イラクの治安の悪化に関しては「100パーセント安全な地域など地球上にない。東京でも女子中学生が突然襲われた」と反論。日本人外交官殺害事件については「テロである可能性、計画的に行われた可能性も非常に強い。日本人が狙われた可能性は否定し得ない」と述べ、日本人であることがテロ対象になる可能性を認めた。

これは要するに「サマワは危険だから戦闘地域ではないか」という疑問に対してイラク特措法における「非戦闘地域」は治安の実態とは関係ないと答えただけのこと.

サマワが「非戦闘地域」の条件を満たしているので,「自衛隊の行く所、活動する所が非戦闘地域だ」となる.

ちなみにイラク特措法に「非戦闘地域」という文言はなく,「戦闘行為」が以下のように定義されている.


戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷 し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)

首相の今回の発言にしても,「イラク復興支援特別措置法が定める「非戦闘地域」の要件を満たしているとの認識」(産經新聞)がベースにあるからこそ出たものだろう.


 小泉純一郎首相は八日昼、イラク暫定政府が北部を除く全土に非常事態宣言を出したことに関連し、自衛隊が活動する南部サマワの治安状況について「(非戦闘地域に)変わりない」と述べ、イラク復興支援特別措置法が定める「非戦闘地域」の要件を満たしているとの認識を改めて示した。首相官邸で記者団に答えた。

私は石破長官や首相の発言のどこがおかしいのかわからない.

むしろ反小泉な人に言いたい.つまらない揚げ足とっている場合ではないだろう.サマワが戦闘地域であることを証明すれば堂々と自衛隊撤退を主張できるではないか.「非戦闘地域の具体的な根拠を示してこなかった」なんて寝言を言っていないで(戦闘地域でないことを証明せよとは悪魔の証明)「戦闘地域の具体的な根拠」を示せばいい.それで話は終わり.

ちなみに「危険だ」とか「治安が悪い」とかは戦闘地域の根拠にはならない.それは石破長官の発言によりとっくに反論済み.