真実の中国4000年史

真実の中国4000年史―侵略と殺戮 (祥伝社黄金文庫)

真実の中国4000年史―侵略と殺戮 (祥伝社黄金文庫)

日本を身びいきにしすぎる観はあれど,中国の歴史の入門書としてはいい本ではないかと思う.非常に面白かった.

もとは1999年に出た本なのだけど,P.273以降の「日中が友好関係を築くために」という節はまったく古くなっていないと思う.ここに「軍事紛争の誘発こそ、中国の狙い」というのがある(P.287).

 次に、東支那海に広がる日本の琉球列島周辺の領海に対し、中国は自国の庭同然にわが物顔で調査船を遊弋させ、外務省の抗議に対しても内政干渉と嘯いているし、尖閣諸島魚釣島を中国領土と突然宣言したりして、日本人を唖然とさせている。日本側はこの中国の挑発に乗らず、話し合いによる外交決着を目指そうとしているが、中国側の意図は軍事紛争の勃発にある。紛争は中国人民への対日緊張感の持続と軍事増強の口実を与え、共産党政権の延命にあるから、外交官や政治家はよほどのタフネゴシエーターを揃える必要がある。

先の漢級原潜の潜行したままの領海侵犯はここで指摘されていることの延長にあると解釈できる.

戦争だけは絶対嫌だからと領土問題などで妥協をするのもよくないが,強硬手段に出るのもまた中国共産党の思惑通りになってしまう.

挑発にのらず,むしろ淡々と対処した日本政府は案外いい仕事をしていたのかもしれない.

もっとも,中国相手にはタフネゴシエーターが見当たらない.ベターでもベストとは言いがたいと思う.

日華事変の時は中国の挑発に乗ってしまいえらい目にあったのだから(戦闘は連戦連勝だったが引き際を見極められず太平洋戦争にまで突っ走ってしまった),今度は教訓を活かして欲しい.以下は参考資料.

P.84〜P.85に少年少女数千人を連れ,海の向こうの神々の住む国蓬莱を目ざし旅立った徐福の話が紹介されている.萌えアニメのネタに使えるかもしれない.

もっとも(P.85),

 始皇帝時代の日本が、すでに徐福が神の住む国と指摘するほど文明が高く、極楽世界の噂が海外にまで広まっていたのかもしれない。

この辺が身びいきすぎと思うところ(あと先日指摘した上高森遺跡の件).単に日本に関する情報が少ないため夢を仮託して妄想を膨らませていただけかもしれず,蓬莱=日本も定かではなく.徐福の話だけで当時の日本がどうであったか推測するのはいささか無謀ではないか.

参考資料.