■NHK問題――ことの本質を見失うな

朝日新聞の今日の社説

朝日新聞はNHKを名誉棄損で訴える構えだ」と恐ろしく威勢がいい.

しかし整理すると流れはこうだ.

朝日「NHKの人はこう言いました」

NHK「言っちょらん.『虚偽報道』だ」

朝日「『虚偽報道』とはなんですか.名誉毀損で訴えます」

取材された当事者が記事に文句を言ったら逆ギレ.NHKはまだ自分の正当性を主張する手段があるからいい.私ら庶民はこれじゃ恐ろしくてとても朝日新聞の取材には応じられない.

そして社説の最後の一行.


 自立したジャーナリズムであるのかどうか。いまNHKが問われているのは、そのことだ。

朝日こそ「自立したジャーナリズム」と言えるのか.

以下はWikipediaより.


1974年頃まで中国側による再入国拒否などで、数ヶ月ほど朝日新聞社だけだった事もあった。

言論の自由、取材の自由がほとんどない当時の中国に、朝日新聞だけが特派員をおいていることに、内外から批判が集まったという。この点を、1970年10月21日、日本新聞協会主催の研究座談会『あすの新聞』の席上、広岡知男朝日新聞社社長は、こう答えており、公正な報道を行わず、中国政府の意向に沿った記事を書くことを公言している。

報道の自由がなくても、あるいは制限されていても、そういう国であればこそ、日本から記者を送るということに意味があるのではないか」(『新聞研究』より)
さらに、「私が記者に与えている方針は『・・・こういうことを書けば、国外追放になるということは、おのずから事柄でわかっている。そういう記事はあえて書く必要は無い・・・』こういうふうにいっている」(同『新聞研究』より)

外国の政府がプレッシャー(どころじゃない!)を新聞社にかけるのはよくて,日本の政治家が公共放送のNHKに助言するのはいけないのか?

報道への「政治介入」を問題にするなら過去に朝日新聞自身にあった政治介入も取り上げたらどうか.朝日自身が中国政府に屈しまくってきたことを棚に上げてよくNHKを批難できるものである.

権力に屈しなかった報道を称えるならまだしも,今回の「政治家の発言に圧力を感じて番組を改編した」というのは,感覚上の「圧力」ごときで政府に屈したとしてNHKを貶めている.

この件,朝日新聞ダブルスタンダードぶりがあまりに目につく.

結局,朝日新聞の行動原則は権力に対する正当な批判ではなく,相手が政治家だろうがNHKだろうが,意に沿わない発言の封じこめにあるのだろう.