カセン国の☆なな姫

七姫物語〈第3章〉姫影交差 (電撃文庫)

七姫物語〈第3章〉姫影交差 (電撃文庫)

読了。期待にたがわずいい作品。

このシリーズ、ライトノベルらしき題名と表紙なのだけど、そして尾谷おさむ先生の絵と、空澄姫の一人称(原則)の文章がとても清楚な空間を構築しているのだけど、よくよく考えると手加減抜きの政治小説

それも戦争と平和を正面から扱っている。

ことにこの3巻の、戦争と平和の危うい境界の描き方は巧みで目が離せない。

そしてこれが、主人公のお姫様達の魅力を申し分なく引き立てている。

ライトノベルの主要なテーマを萌えとするならば、これもライトノベルの道を極めた作品の一つであることは間違いない。君主に萌えさせるため、君主による統治をリアルに描いてみせる。ライトノベルの枠を踏み外すほどに。

ライトノベルを捨ててこそ真のライトノベルに至る。これはひとつの武士道なのかもしれない。

真面目な話、私は、作者の方の軍事と武士道に関する深い造詣を感じ、大いに尊敬している。

話はまだ完結していないが、大きい段落を迎えたところで3巻は閉じている。ここで完結と言われても恐らく不満が出ないもの。このため、待たされてもうらみごとはまったくなく、次作が出ると決まっているとのことなので、待つ楽しみのみが今ここにある。ぜひ焦らずに、作品に遺憾なく力をふるってほしい。

本当にこれは、多くの人に薦めたい小説だと思う。