まぼろし谷のねんねこ姫

トルクメニスタンの書店に行くと置いてあるのは大半がニヤゾフ大統領の著作だという。だいぶ悲惨な状況だが、もしこれがふくやまけいこ先生の漫画だとしたらどうだろう。書店の過半を占めるふくやまけいこ先生の漫画。そんな国があるならぜひ行ってみたい。と、まったく誰も喜ばないであろう賛辞を書いている場合ではなく。

書店でふくやまけいこ先生の漫画が文庫化されているのを発見した。なんと早川書房。先生の漫画を文庫化するのにこれほどふさわしい出版社がほかにあるだろうか、というか、早川書房がこんな事業を始めたとは驚くけど、とにかく先生の漫画を出してくれたことに感謝することしきり。

本作は1994年から『なかよし』に連載されていた漫画。正月に来た姪が持ってきた『なかよし』を何気なくながめて連載を知った時には正直かなりびっくりした。単行本化したら買おうと思っていたが、気がついたら2巻に進んでいて1巻が手に入らず、いつ読めるかと思っていた作品。それだけに、ハヤカワから文庫化というのはまさにうれしい誤算。

内容は良質な少女漫画であるし、メジャーな月刊誌であっても先生の作風がいささかも薄くなっていなくて感心した。主人公の里穂は先生の漫画のなかで1,2を争う凶悪な可愛さ。数年分の萌えがこれ一冊で補充できた気がする。しかし一方、「まぼろし谷」には何かショックな秘密がありそうな伏線が気になる。

すぐにも2巻、3巻と出るようなのでじっくり読み進めたい。

ところでこの作品、アニメ化するなら『おねがいマイメロディ』の後番組なんかが似合いそうに思うがどうだろう。