かみちゅ!

前半を見逃したが、色々話題を聞いて7話から見た。

深夜アニメながら、家族団欒での鑑賞に耐える作品になっていた。

ということで、印象は悪くないけど、あんまり内容を語りたいとも思わない。

既視感と、リスクに挑戦していない姿勢が気になった。『R.O.D』が色々挑戦的すぎたのでつい比べてしまう。

神様の描写は『千と千尋の神隠し』がなかったらああいった描写にはならなかっただろうと思う。舞台が尾道というのも大林宣彦監督の映画でずいぶん見た。それが悪いとか言う気はないけれど。斬新さを売りにしていてパクリだらけ、というわけでもないのだから。むしろ斬新過ぎないところを売りにしてるような気もする。

オタクのドメスティック嗜好は前から指摘されていることで、八百万の神々なのでそのうち一柱を女子中学生にしたというのは、人気の面でぜんぜんリスクがない。

その上、今年流行っている大和を出してきた。大和の扱いは、普通の作品ではもう少し「反戦」を盛り込むところなのだけど、この作品では船のモノノケにとっても元乗組員の源さんにとっても素直に誇らしいものとして描かれていた。これも顧客の嗜好を読んでのことか、と勘繰ってしまった。オタクが戦争の描写にとりわけ「反戦」など求めていないのは、ミリオタの生態など見れば分かることだと思う。

大和が船の誇りなのはいいけれど、ストーリーにドラマがなさ過ぎて物足りない話だったという感想は書いておこう。『宇宙戦艦ヤマト』で漁師のオヤジが子供に大和を説明するシーンを思い出したので、それで評価が厳しくなってしまったのかもしれないが。

リスクに挑戦しないことは別に悪くもないだろう。この作品は癒し系を狙っているのだから。

他方、「萌え」がついに信仰の領域に、とかいったパロディ性を一瞬考えたが、そんな安易なヒネリもなかった。

内容を語ろうと思わないといいつつある程度書けた。

実はこの作品で一番驚いたのは、羽音たらく氏のキャラ原案なのにタレ目でないこと。それに全般に線が減っていると思った。私の価値観としては、同じものを表現するなら線が少ないほど偉い。シンプルな絵柄のキャラ設定は気に入った。

そして、ゆりえが口とんがらかしたりほっぺたぷにぷにしたりするのは、萌えアニメの表現で案外新しい領域を広げたのではなか、と思った。ゆりえの描写はこのアニメで一番挑戦的だったところかもしれない。

脚本も、実は微妙なところでチャレンジングだったかもしれない。9話など光恵のアドリブの演説はさすがだと思った。この辺はまた後で気が向いたら書きたい。