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小型FRセダンの芽はあるか

日産が去年の東京モーターショーに出品したフォーリアは、噂では市販の可能性が割とあるらしい。シルビアの後継と言われる。しかしボディの開口部が大きくなる観音開きの4ドアはいかがなものか。

フォーリアを市販するならいっそ、もう少しまともな4ドアセダンにデザインし直して、「ブルーバードSSS」として売り出せばよいと思う。全長4500mm、全幅1700mm、全高1400mm、車重1300kgぐらいで4気筒2000ccのFRセダン。ターボはあり/なしの2種類か。シルフィがあるからSSSの方は室内はさほど広くなくてもよい。4WDもなくてもよかろう。
問題は軽く作れるかどうか。今日産には2500cc、6気筒より小さいFR車がなく、このFR-LプラットフォームではZのように小さく作れても、軽く作るのは難しいだろうと思う。今時FFでも軽く作るのが難しいからなおさら心配(P12プリメーラは4気筒2000ccのFFで1300kgあった)。

国産の乗用車をざっと見回すと、小型のFR車というのはほとんどない。FRは今や「高級車」、または「後席にお客を乗せる車」で、他の用途ではほとんどマツダだけが、小型のFR車をスポーツカーとして存続させている。

各社ざっと眺めると、トヨタ、日産ともにFRは6気筒2500ccより大きい車限定。タクシー用にはもっと小さいのがあるが、過去のシャシーの使いまわしなので、新型乗用車として出すのは衝突安全性の確保や商品魅力の付与という点からもはや無理だろう。

ホンダはS2000というFR車があるが、ドライブトレーンはマツダから供給されている。純粋にホンダ独自のFR車はそうそう出そうにない。一時期レジェンドがFR化と言われていたが、新型が出てみればエンジンは横置きだった。

マツダロードスターRX-8というFR車がある。その気になれば小型のFRのセダンを、それもロータリーエンジン搭載のを作れるだろう。逆に言うと、現状ではそういうのは商売にならないという判断のようだ。

スバルはエンジンが縦置きだが、市販車はFFと4WDで、FRのモデルは出る可能性はかなり低い。フロントにエンジンをオーバーハングして置くレイアウトはスバル1000から不変で、もともとFF向き。このFF用ドライブトレーンを後ろに持っていってミッドシップ車を作ったらかなり萌えるだろう。スバルにはFRよりそちらをお願いしたい。

三菱、スズキ、ダイハツSUVにエンジン縦置きのレイアウトを残している。これらの中から意表をついて、FRで4気筒の小さいセダンを出す所が出てきたら面白い。

そもそもこんなエントリーを書く発端となったのが、ダイハツビーゴトヨタラッシュ)が1500ccの小さい車ながらエンジン縦置きだと知ったから。これを少々いじってFRセダンを出したら話題騒然だろうと思ったため。そこから考えが飛躍して冒頭のブルSSSもFRで、という妄想になった。

ちなみにトヨタ、日産、ホンダの小型SUV(それぞれRAV4X-TRAILCR-V)はエンジン横置き。FRセダンのベースになるどころか、FFセダンがベースになっている。

だから走破性や耐久性はエンジン縦置きより劣るのでは、と危惧されるのだけど、以前TVでイスラエルの警察がRAV4を使っているのを見て、こんなレイアウトでも別にまがいものではないのだな、と思った。