枯草熱

スタニスワフ・レム氏の訃報を今日知った。合掌。

何冊か読んだ作品はどれも印象深く忘れられない。

『星からの帰還』の切なさ、『エデン』の最後のセリフなどが好き。乱数を扱ったり、酒の席で最後にコーヒーが出ると『天の声』を思い出す。もちろんニュートリノと聞くと『ソラリス』が頭に浮かぶ。

ここで特に1冊挙げるとしたら『枯草熱』だろうか。枯草熱(カタル)とは今で言えば花粉症。季節的に。今年の花粉はあまりひどくないけれど。

アメリカ人の宇宙飛行士が主人公で一人称で書かれている。アレルギー性鼻炎のため、火星探査の選定に漏れたことを悔しがる。<火星に花は咲いていないというのに!>(大意,手元に本がないので)。彼は謎の連続変死事件の調査のためにイタリアへ。一向に事件の謎が解けないでいると、最後になって意外な真相が明らかになる。もちろんアレルギーがキーの一つ。その複雑怪奇な真相にレム氏のSFのエッセンスが濃縮されていて感慨深く本を閉じた。

ちなみに私が読んだのはサンリオ版。