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地獄少女その2

地獄少女』が萌えアニメと言われるのはしかたないだろう。

オフィシャルサイトのキャストを見ても24人の依頼者のうち18人までが女性、しかもその大半が女子中高生だ(リストはネタバレ防止のため多少不正確になっている)。

スタッフが『魔探偵ロキRAGNAROK』とたいがいかぶっていることも見逃せない。『ロキ』もかなりの萌え(含ショタ)アニメだった。『地獄少女』原作者のわたなべひろし氏は『ロキ』の監督。シリーズ構成金巻兼一は共通。ノルン3姉妹の次女ヴェルダンディは長い黒髪が閻魔あいにけっこう似ていて、声も能登麻美子だった。

シリーズのまとめ方に視聴者をちょっと置き去りにしたところがあるのも『魔探偵ロキRAGNAROK』と似ている。こちらでは25話でヘルとロキのからみを延々やるのだが、原作とか北欧神話とか知らない者としてはこの回は何が何だかよく分からなかった。

そんなわけで、萌えアニメ地獄少女』から印象に残ったヒロインを少々語ってみる。

7話「ひびわれた仮面」の紅彩香(cv雪野五月)は悪女ぶりに痺れた。狂言回しで師匠の紅翠に気に入られようとして失敗するくだりは、話の作り方として巧いと思った。女優の卵なのに演技が下手で見透かされてしまう。その一番重要な失点に気づかずに、女優としての失地回復を狙って悪事を重ねてゆくところがやるせない。『ガラスの仮面』を意識してサブタイトルを決めるというこの作品にある妙な軽さもいい。

10話「トモダチ」の渋谷みなみ(cv石毛佐和)は『かみちゅ!』のゆりえみたいで可愛かった。友達だと思っていた赤坂詩織にちょっと冷たくされただけでストーカー化し、地獄通信にアクセスしてしまう浅はかさも子供っぽくていい。彼女達の子供っぽさが最後の怖いオチを招いてしまうのも話の作りが巧くて感心した。

16話「旅芸人の夜」はユミ(cv谷井あすか)、ユキ(cv矢島晶子)の双子の姉妹が可愛い。クライマックスの矢島晶子の演技もいい。

18話「縛られた少女」は上川美紀役で下屋則子の不幸オーラ出まくりの演技、それとターゲット下野芽衣子役のくじらの怪演がすごかった。あと、このペットブームのご時世に犬が死ぬ話を2度もやる(もう一つは4話)とはたいしたものだと思った。お仕置きシーンで『ソラリスの陽のもとに』で出る2mの赤ん坊を連想した。

23話「病棟の光」は何の落度もない看護婦が地獄通信を使った無理心中に巻き込まれてしまう話。ターゲット桜木加奈子を沢城みゆきが演じていた。「白衣の天使」を魅力的に演じたあと、不条理に地獄送りにされて絶叫するギャップが怖かった。

柴田つぐみは髪型が話ごとにけっこうかわってどれも可愛かった。あと22話の喪服がいい。それにしても、7歳という年齢設定は低すぎだと思う。

閻魔あいは時々あったお茶目なシーンがいい。障子に穴あけたり、尺八で音が出て喜んでたり。普段淡々としているだけに、24話の感情むき出しは怖かった。

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