お隣の魔法使い

サブタイトルが「始まりの呪文はお隣の魔法使い」だとまじぽか風。

絵師が尾谷おさむ先生だったので買ってしまった。

書店でライトノベルの棚は売れ線のシリーズものばかり平積になっているので、目立つのだけど何を買うかというとつい迷ってしまう。そういうとき、オリジナルで読み切り、という本作がとても魅力的に見えたので、それで買ったというのもある。

内容はそれほどの期待はしていなかったのだけど、なかなかどうして、面白い。というかぐいぐい読ませる。

スタイルは主人公メアリーの一人称で、お隣に変な人が突然引っ越してきてから、その変な人ぶりと変な事件が次々と語られる。このメアリーのキャラが活き活きしていていい。女性の作者じゃないとこれは書けないだろうなと思った。

なお、そのお隣さんが「魔法使い」かは最後までよく分からない。「魔法使い」を規定してしまってある種のルールに乗せて作るのではなく、とにかく不思議なことありき、な形の、いわばとても自由なスタイルのファンタジーだと思った。

メアリーの一人称の文章の魅力と、尾谷先生のイラストが相まって、けっこういい本に仕上がっている。イラストはどれもキャラクターをよく現してると思うし、P.185のメイドさんなんてすごくキュートでたまらない。

こんな一粒でも美味しいライトノベルがもっと書店に並ぶと嬉しい。