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七姫物語 第四章

七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫)

七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫)

1年以上待った待望の続編。

ストーリーがこれまでの巻の中では一番緻密にできていると思う。文章もきれいで、読後の満足感は高い。作者は確実に腕を上げていると思う。長く待った甲斐があった。5巻も出すことが決まっているようなので楽しみに待ちたい。

この巻では大きい合戦とかは特になく、三日ぐらいの短い間の出来事を綴っている。特に後半、空澄姫がカラカラになって休みをもらい、ツヅミの町を一日ぶらぶら歩くところは、この日の分だけで本の半分が使われている。

ここでは場面が次々変わり、そのたびに各キャラがじり、じり、っと動いてゆく。ほのぼのした光景もあれば戦闘シーンもあるし、重要キャラどうしの意外な出会いもある。そして気がつくと、一日が終るころには次の巻の準備がすっかりできあがってしまっている。

短い時間をじっくり描くことで、作品世界やキャラクターの魅力を表してゆきながら、ストーリーも確実に、かつ面白く進めているところが特に巧みだと思った。