空の中

空の中

空の中

瞬、佳江の高校生カップルに関しては読んでいてそこそこ面白かった。一方、武田三尉と春名の方はぱっとしなかった。特に春名の軽くてなよっとした口調はよろしくない。そもそもこちらの二人までカップルにする必要はあるんだろうか。

春名は航空機メーカーの技術者という設定。しかし作者が技術者というものよく把握していないためか、らしくないキャラクターになっている。作中で技術者らしい専門性を感じさせるセリフは皆無。一方で武田三尉にデレてばかりいるのが鼻につく。話の展開上重要なポジションにいるのに相応の魅力がない。

武田三尉のキャラはまあいいかと思うが、あえて女性にする必要はなかったとも思う。

自衛官と技術者は男同士でもよいのではないか。飛行機に乗る者と作る者、立場の違いから最初は確執がある。しかしそのうち、空にハマった者同士ということでいい感じに友情が出来上がる。有川浩氏にシブいおやじキャラを求めるのは無理かもしれないと思いつつ、そんな想像をしながら読んだ。

作者の思い入れとしては、佳江が一番あるのかな、などと考えた。次は武田三尉だろうか。この二人はさほど美人という設定ではない。一方、話の後半でものすごい美少女として登場する真帆は、実はかなり腹黒く、最後に悪役として立ち回る。この三者三様のヒロインのあり方に、作者の女性らしさをちょっと感じた。