カエル―水辺の隣人

カエル―水辺の隣人 (中公新書)

カエル―水辺の隣人 (中公新書)

正真正銘カエルの本。雑学がイヤというほど身につく。

両生類というとやはり「下等動物」というイメージが湧くが、その多様性には目をみはるるものがある。例えば寒地への適応性も、恒温動物の哺乳類や鳥類には及ばないとしても、並の爬虫類(ある程度の恒温性のあるオサガメはおくとして)をしのぐものがある。

北限のカエルはヨーロッパアカガエルとアメリカアカガエルで、各々がスカンジナビア半島の北端、カナダからアラスカにかけて分布している。彼らは−6℃までは死なないという。

カエルの繁殖方法も多様で、カモノハシガエルは母親の胃の中で、ダーウィンハナガエルは父親の鳴嚢の中で子育てする。卵の段階でオタマジャクシを経て成体になる直接発生は珍しくなく、胎生、卵胎生のカエルもいる。NHKのある科学番組では哺乳類の胎生を誉め称えていたが、これは魚にもカエルにもヘビにもトカゲにもあるものだ。

「消えゆくカエル」の章では、カエルの減少について、土地開発水質汚染などの環境破壊、酸性雨環境ホルモンオゾン層の破壊、温暖化とあらゆる環境問題をとりあげて考察している。2002年の執筆だが、ツボカビ病についても言及している。

カエルの本では、以下も既読。どちらも著者は松井姓だが偶然の一致とのこと。

カエルの不思議発見―「四六のガマ」の科学 (ブルーバックス)

カエルの不思議発見―「四六のガマ」の科学 (ブルーバックス)