心療内科の通院日。
前回仕事復帰可能の診断書をもらい、リハビリから復職に移行した。それから約一ヶ月。
途中カウンセラーから、週末予定をいっぱい入れていた点を指摘され、「充電期間を入れないといずれ休みの間にためた貯金を使い果たす」と言われた。確かにそれまでは、長期療養のときに溜め込んだエネルギーが残っている感じで、調子よくすごしていたが、5連休の直前ぐらいからエネルギー切れを感じるようになってきた。
で、ここしばらくはちょっと低調。今週は1日休んで寝込んでしまった。しかし1日寝たら調子が戻ってきたので、それ以後は普通に仕事ができた。
医師にそんな調子と話したが、休み休みでも持続して働いていければいいでないの、ということで、この程度はまだ「順調」のうちらしい。
で、そろそろ減薬してもいいだろうというので、ルジオミールが半分になった。10mgを毎晩2錠飲んでいたのを1錠に。去年の6月以降の処方に戻ったことになる。
ある意味、薬の役割はあまり多くないのかな、という気はする。去年調子が悪いとき、余っていたトレドミンを飲んでみたけど状況が改善しなかった。
むしろ休養の方が効果が高いので、今週末はゆっくり休むことにする。明日は木更津駐屯地の記念行事だが、行かずに『夢色パティシエール』や日本GPを見ることにしよう。
ここで、うつ病とは結局なんだろう、と考える。
蛇口の下に置いたコップを想像してみる。
ストレスにさらされるとコップの水を消耗してゆく。水がなくなりかけると、憂鬱な気分になったり吐き気などの身体症状が現れるようになる。
健康な人の場合、蛇口から水がたくさん出るので、少々使ってもコップは空にならない。
うつ病とは、蛇口から水が出にくくなる病気なのではないかと思う。
このため、すぐコップが空になってしまうのでストレスに弱くなる。
休んでいれば徐々に水がたまってきて症状が改善する。長く休めば健常者とだいたい同じことができるようになる。
しかし、調子に乗って無理をするとコップの水は徐々に減ってゆき、やがてダウンしてしまう。
休んで水がたまって元気になる、という意味では、うつ病は「治る」病気だ。
しかし、患者の立場からすると「治る」というイメージは、昔のように蛇口から元気に水が出る状態に戻ること。残念ながら、そういう意味では「治らない」のが実情のようだ。多少の改善はあるのかもしれないが、以前のようには戻らず、よくなっても「寛解」と呼ばれる。
少ない流量でコップを空にしないように生きることを医師やカウンセラーからは暗に言われているように思う。無理をしないこと。休みを多めにとること。認知のゆがみを改めること(コップの水の消費を減らせる)。エネルギー切れに敏感になり調子悪くなる前に休むこと。
インシュリンの分泌が増えないことを前提にカロリー制限などを行う糖尿病の治療と似たところがある。うつ病もまた典型的な生活習慣病のひとつと言えるかもしれない。
ただ、「寛解」とみなせるようになれば薬を飲まなくてもいいようになるというところはうつ病が他の病気と違うところ。脳というのは独自の回復力をもっているということなのだろうか。しかしそれでも、「蛇口」が完全にもとの性能を取り戻すことはないようだけど。