コンパクトデジタルカメラはCOOLPIX S510が手元にあるが、以下の点で不満があったのでいつか新しいのを買おうと思っていた。
- ワイド端が35mmからというのはやや使いづらい
- たびたび片ボケが発生する
片ボケはこんな具合。
中央の駅名がはっきりしているのに対し、右の郵便ポストや電話ボックスがぼやけている。
よほど初期不良でクレーム出そうかと思ったが、主に使っている子供は気にしてないようで、面倒だからいいか、と思っているうちに、いっそ新しいカメラを買おう、という頃合になった。
ちょうど、屈曲光学系でコンパクトなCOOLPIX S70が安くなってきたところで、これがかなり欲しくなった。作例を探してもひどい片ボケはなさそう。ワイド端は28mm。光学的手振れ補正も搭載。コンパクトで毎日持ち歩くのにもいい。気になる点はやや重いのと、タッチパネルの操作性がどうなのかぐらい。
ここで、新製品COOLPIX S6000の存在に気がついた。こちらの方がレンズが屈曲光学系でない分画質がよさそう。ワイド端が28mmでさらに7倍ズームでほぼ200mmの望遠側も便利そう。動画撮影専門のボタンがあるのもいいし、動画の音声がステレオというのもいいと思った。
これから子供の小学校の卒業式や、そのほか3月後半からイベントがいろいろあるので、今こそ新しいカメラの活躍のとき、と思い、買う決断をした。
そして某日、某量販店でニコン様にお布施をしてCOOLPIX S6000をいただいてきた。
革ケースとSanDiskのCLASS 10の4GBのSDHCカードも買った。
色は赤。このメタリックレッドの色合いはなかなかいい。この色だと、滑り止めのためか、ゴムをコーティングしたような不思議な触感。
さっそく平板なものを撮影。
片ボケはない。ひと安心。
ワイド端なのに歪曲収差がほとんどないのがすごい。おそらくソフトウェアで補正しているのだろう。COOLPIX S70も同様に歪曲収差がほとんどない。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/newproduct/20091026_324475.html
高倍率ズームレンズを搭載しながら、比較的安い値段で売れるのも、ソフトウェアの補正を含め、デジタルカメラであるという特性をフル活用しているのではないかと思う。
デジタルカメラなら以下の点でレンズの設計は有利になる。
- 歪曲収差→ソフトウェアで補正できる(多分してる)
- 倍率色収差→ソフトウェアで補正できる(しているかどうかは不明)
- 周辺光量の不足→ソフトウェアで補正できる(しているかどうかは不明)
- 絞り機構→画素数が多すぎて解像度が限界に来ているので、絞り込むと回折で解像度が悪化するから不要
S6000は35mmフィルム換算で28-196mm。タムロンが出してヒットした28-200mmの高倍率ズームとほぼ同じでありながら、レンズは7群9枚と少なく、しかも沈胴式を実現している。
で画質はどうかというと、色合いや縮小して見たときの印象はなかなかいい。たとえばこんな作例。
しかし、等倍で見るとがっかり画質。
撮像素子の1400万画素というのは、レンズの解像度を上回ってしまっているように思う。
最近のコンデジはローパスフィルターがないとのことで、撮像素子上にはぼやけた像を結んでいることになる。それをソフトウェアでシャープネスを上げて絵作りするので、こんな結果になる。
ためしに、水平方向の解像度を4320画素から2592画素に減らすとこんな感じ。
2592×1944で500万画素相当。この大きさだとだいぶ見られる絵になる。
レンズの性能からしたら、このカメラは500万画素で仕上げるのが望ましかったと思う。
上の写真をアップロードしてあるニコンのオンラインアルバムには2000×1500で収納してある。300万画素だとより好ましい絵になっている。
逆に、500万画素のカメラだと考えれば、満足な性能。去年暮れに壊れたCOOLPIX 5400を代替できるカメラだと思う。あのカメラではテレ端でピントが合わなかったが、このカメラならそれも大丈夫だし、テレ側の焦点距離も長くていい。
その他作例。
ワイド端。
中間の焦点距離。
テレ端。
テレ端は300万画素で見ても周辺の画質がちょっと落ちている。
暗い場所での人物。
ストロボが光ったり光らなかったりで、どのようにコントロールしているのかよく分からなかった。こういうイベントを撮影するときの検討課題。
動作速度は、COOLPIX 2500やCOOLPIX 5400に比べると速い。しかし、COOLPIX S510の方がもっと速い。これや一眼と比べてしまうと、電源を入れてから撮影できるまでワンテンポ遅れるのでちょっと不便。慣れればどうということはなさそうだが。
シャッターボタンの前にズームレバーがあって、つい電源と間違えてしまう。
動画スイッチはやはり便利。動画撮影中も手振れ補正は効いている。
上にも書いたように、レンズの解像度としては500万画素ぐらいの性能だと思う。1400万画素のJPEGより、500万画素のRAWを吐き出すカメラであってほしかった。デジカメの画素数競争はもうたいがいにしてほしい。
Nikon デジタルカメラ COOLPIX (クールピクス) S6000 フラッシュレッド S6000RD
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2010/03/11
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