それってホントに「うつ」?

精神科の産業医による職場の「うつ」の問題への取り組み方を書いた本。

一口に職場の「うつ」といっても、従来型のうつ病ばかりではなく、現代型とか新型とか言われるうつ病もあり、ほかにパーソナリティ障害、統合失調症双極性障害なども「うつ症状」などと診断書に書かれることがある。

これら職場「うつ」を2本の軸により4分割して示した図(P.29)はものすごく分かり易い。

4通りの「うつ」に対し、これまでほとんどの職場が従来型うつ病に関する対策ばかり行っているのが現状。残り3通りにそれはよくないという。4通りの「うつ」それぞれに適切な対策はこれだ、と著者はその対策を示している。

タイトルがよくなくて、まるで最近話題の「新型うつ病」を<うつ病じゃねえ、甘えんな>とか言っている内容かと勘違いしてしまう。表紙の右上に「間違いだらけの企業の「職場うつ」対策」と書いてなかったら買うのをためらうところだった。

職場のうつ対策ならば、うつ病からの職場復帰…は一応できてるとして(昨日まで4日休んで今日も調子よくないけど)、仕事上の自己実現と健康維持の両立という大きいテーマに直面している自分にはとても興味がある。

ちなみに著者は「新型うつ」も病気であるというスタンス。従来型ともども、「頑固でこだわりが強い」という共通点があるという(80ページ)。ただしもちろん、推奨される職場の対策は両者でかなり違う。手段は違うけど、両者とも大事な人材だから職場にちゃんと戻れるようにする、という対策の目的は同じ。

新型うつだけでなく、従来型うつ病で職場復帰に悩んでいる人にも、読んで得るところがある本だと思う。

199ページ以降の「仕事を減らさずにうつを減らす」という項は、この本ならではのいい論考。2005年の年度末は、その1年以上前からうつ病の症状が出ていたのに、どうにか残業休日出勤に耐えて乗り切れた。なぜそれだけ頑張れたのか、この本を読んで分かった気がした。