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書籍の自炊をはじめる

地デジ移行に先立ってBDレコーダーを買って某店のポイントがたっぷり溜まった。これをどうしようかと考えていて、自炊、すなわち持っている本の電子化に取り組んでみようと思った。

まずドキュメントスキャナ、キヤノンDR-150を購入。

ドキュメントスキャナというと高くてかさばるものだとばかり思っていたので自炊にいまいち踏み切れなかったのだが、こういうコンパクトな機種が出ていると知り、やる決心がついた。

スキャナの類はフィルムスキャナしか使ったことがなかったので、こういう機械が来るとPCの使い道に革新が訪れる。

本のスキャンもさることながら、あちこちに散らばっていたチラシだとか半券だとか辞令だとか車の整備記録だとかを片端から電子化できる。本の紙を処分できるのと並んで、それらの雑紙を処分できるのも家の片付けに大きく貢献すると分かった。

ただ、ドキュメントスキャナの場合、重送、縦線、傾きの三重苦がどうしてもある。

重送は、普通の本の紙ならめったに起きないからいいが、雑誌の薄くてツルツルの紙だと簡単に起きる。そういう場合は、1枚ずつ手で紙を入れることで対応している。

最初は、1枚スキャンしてはマウスで引き続きスキャンボタンを押して、という作業の繰り返しで気が狂いそうになったが、1枚スキャンした直後に次の紙を差し込むと、2枚目のスキャンに問題なく移行できると分かり楽になった。1枚目をスキャン中に、2枚目を流れている紙の上に置いてもいい。2枚目がいっしょに巻き込まれることなく、1枚目の後に無事に2枚目としてスキャンされる。

縦線、傾きは、情報が失われていなければよしとして割り切っている。きちんと紙をセットし、傾き補正を効かせているのに紙ごとに微妙に傾くのは謎ではあるが。逆に、大きく傾いて給紙されると、不思議と補正が正しく効いてまっすぐなデータになる。

どうしてもこれらが我慢できない場合は、フラットベッドスキャナを使えばいい。

じっさい、本の自炊をはじめるとフラットベッドスキャナの必要性が切実に感じられる。

厚い紙は読み込めない。上記のように縦線や傾きが気になるときがある。これらを解決したい。

そこで複合機も購入。キヤノンMG8130。

インクジェットプリンタは持っているがもう9年目なので、10年経ったら換えようと思っていたのを前倒しで交換。

複合機でレーベル印刷とフィルムスキャンができるもの、というのを選んだらこれになった。フィルムスキャンはなくてもいいかと思ったが、MG6130と差額1万ぐらいでこの機能がつくならと思ってこちらにした。市販のフィルムスキャナがやはり1万いくらする。

しかしこれだけの高機能の製品が3万なんぼというのは驚異の安さ。印刷はレーベル印刷ぐらいでスキャンばかりしてインクを消耗しないのでキヤノンの人には申し訳ない。

スキャンの品質はすばらしい。スキャン後のクロップも簡単なので、今では、表紙カバーのスキャンもDR150ではなくこちらで行っている。表紙カバーは背表紙と裏表紙の境界でカットしてこれで読み込み、まずそのままの状態で保存。続いて、表紙、裏表紙をクロップして電子書籍の表紙、裏表紙用に保存している。

フィルムスキャナの性能は、昔のニコンのCOOLSCANには及ばない。これは値段がぜんぜん違うので仕方がないところ。それでも、写真店がフィルム現像時に作ってくれるCDぐらいの画質にはなる。

本の裁断は裁断機を購入した。CARL DC-210N。

ディスクカッターは精密に裁断できてしかも安全。そして40枚という能力も案外使える。もっと沢山切れる方が便利かと思ったが、この裁断機でもだいたいの本は4分割すれば裁断できるので、一度に10冊ぐらい処理する分にはさほどの手間ではない。

本の裁断で案外使えるのがLEATHERMANのマルチツール。

Skeletool CX スタンダードナイロンケース付 【LTJマーク入日本正規品】 SKCN

Skeletool CX スタンダードナイロンケース付 【LTJマーク入日本正規品】 SKCN

プライヤで中綴じの本のステープルの針を引き抜き、ナイフで普通の本の背中を切り裂く。この2つの道具が一つになっていると置き場所で混乱しないですむ。

うちはスケルツールCXが手元にあったのでこれを使っているが、『TIGER & BUNNY』3話でバーナビーが使っていたチャージTTIもいいかもしれない。

LEATHERMAN(レザーマン) チャージTTI CHGTTIL

LEATHERMAN(レザーマン) チャージTTI CHGTTIL

ホームセンターではもっと安いのを売ってるけれど。カッターとペンチを別々に買えば1000円もかからないからそれでも多分いい。

最後に、PDFの編集ツール。

ソースネクスト いきなりPDF/STANDARD Edition

ソースネクスト いきなりPDF/STANDARD Edition

分割してスキャンしたPDFをひとつにまとめる。重送などで欠陥ができたPDFのページを差し替える。こういった作業がどうしても出てくるので、PDF編集ソフトは不可欠なものと分かった。自炊のほか、webページの情報の保存などにも使える。

スキャナをキヤノンで揃えたところ、Adbe Acrobatは入手できなかった。買えばえらい高いので、サードパーティーの製品を探すことに。で結局、安さと機能でこれを購入。

このソフトはおおむね満足だが、この値段のものではページの回転ができないのは不満。スキャナで確実にページを回転させておかないとまずい。

OCRもできないが、これはスキャナの付属ソフトの方がPDF化時にやってくれるので基本的に問題ない。

こういった環境をととのえて書籍の電子化→本の紙の処分を進めて3ヶ月ばかり。書籍150冊相当ぐらいの紙を電子データにしたと思う。しかし、家の中からまだ本が減ったという実感が乏しい。子供とPCが共用なので週末の午前中ぐらいしか自炊できないのが問題で、週に10冊ぐらいしか作業できない。週10冊でも1年経てば500冊ほどは自炊できるから、その頃には家の中もだいぶ片付いてくれるだろう。

「どうせ電子化すれば場所とらないし」と思って本を余計に買うようになってしまったのが誤算といえば誤算。

自炊の時の解像度とかドキュメントスキャナの設定とかの話はまた後ほど。