Great Spangled Weblog

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エステーエアカウンター

10月に東北地方優先で発売された、安価な国産線量計エステーエアカウンター

http://www.st-c.co.jp/air-counter/

そろそろ関東でも手に入るだろうか、と、埼玉からちょっと越境して茨城県の某ホームセンターに行ったところ、少量ながら売っていたので購入した。

特徴は安価で操作が簡単なほか、センサーが半導体で線量が低い場合も精度が期待できる。一方、計測時間は最長5分と長くかかる。

また、一度「測定完了」になると以後計測しないため、電源が入っていても急に線量が上がったりしたときにそれを検知することはできない。警告音が出たりもしない。累積線量も測定できない。

ただ、ボタンを押せばいつでも測定開始するから、そのとき最初に示す値が大きければホットスポットの当たりをつけることはできる。

測定中に示す値と「測定完了」の値がけっこう違うのでまったく目安にしかならないが。

ともかく、購入して家の中を測った結果がこれ。

市役所の測定値がだいたい0.07μSv/hなので、エアカウンターはいい精度の値を出していると思う。一方、左のSOEKSは倍ほど大きい値で、このレベルの線量では精度がかなり悪い。

マントルの直上に置いてみたらこうなった。

このあたりになるとSOEKSもエアカウンターもほぼ同じ値を示す。このレベルならどちらの線量計も十分使えると思う。

2つの線量計の特性の違いから、屋外で放射線を計測する場合の使い分けのし方を考えてみた。

  • エアカウンター:ネックストラップで首から下げて空間線量測定
  • SOEKS-01M:β線遮蔽板をつけた上で、地上や雨樋など線量の高そうなところを計測

SOEKS-01Mは10秒でおおよその値を示し、2分で測定が完了する。測定完了後も過去2分間の平均をずっと出し続けるので、とにかく2分じっとしていればその場所の線量を測定できる。エアカウンターほど待たなくてよい。線量が0.3μSv/hあたりより上ならこの測定器を中心に使うのでよさそう。あとは、エアカウンターのようにボタンひとつで再計測開始、というリセットボタンがあるといいのだが(突然計測値が大きくなると平均化処理が自動的にリセットされる)。

エアカウンターは地上1mで水平に持って測定するのが推奨の測定法だが、首からただ下げておくだけでもあまり値は変わらなかった。今日屋外で測ったら水平持ち、垂直ぶら下げともに0.11μSv/hだった。

なお、その後もう一回ぶら下げて計ったら0.14μSv/hだった。本体に「誤差±20%」と書いてあるし、放射線とはもともとそういうものなので、こういう差が出るのは仕方がないだろう。

SOEKSに比べればセンサーが違うし計測時間が長いのもあって、エアカウンターの計測値はずっと安定していると思う。