『絶対防衛レヴィアタン』第12話「絶対ショックだもん!」
ストーリー
ハルーナの町に戻ってきたレヴィアタンたち一行。竜のカギしっぽ亭で夕食。シロップがアクアフォール防衛隊に志願するかを再確認。ヨルムンガンドは了解済。バハムートもいい感じの答え。一方レヴィアタンは消極的。とりあえず腹がふくれたところで解散(ノルマ達成せず)。
久しぶりに家に帰るバハムート。邸宅があわただしい。役に立ちたいバハムートは魔法の本を探しに書庫へ。隠してあった父の日記を見つけ、出生の秘密を知ってしまう。
バハムートの帰宅を知り邸宅を探す父。娘が秘密を知ったことを察する。
槍を抱いて寝るレヴィアタン。兄の夢を見る。夢で兄がエイボリアスからアクアフォールを守ってほしいと告げる。でないとこの星のすべての生命が滅ぼされる。
翌朝、バハムートが家を出ていなくなったと知るレヴィアタンとヨルムンガンドとシロップ。町を探して無事見つけるが、バハムートが知った秘密を皆も知ることになる。バハムートの動揺が皆に広がる。
そんなとき、海で遭遇したルーカサイトがハルーナの町に出現した。
視聴コメント
解説
レヴィアタンたちの旅は一旦終わり、クライマックスに向け話が盛り上がっていく。
ここで鍵となるのはバハムートの出生の秘密。お嬢様で何不自由なく暮らしていたバハムートが、実はパパムートの実の娘ではなかったという。たった一人の肉親だと思っていた父が血縁関係になかったと知り激しく動揺するバハムート。その動揺に呼応するかのようにルーカサイトが現れて最終回につながる。
夢に出た兄から「エイボリアス」という言葉が告げられる。ルーカサイトとトリプをあわせた、隕石由来の危険な存在の総称。ゲームでは早めに出るどうということのない用語だが、アニメでは割と重要な単語になる。
このアニメを制作したGONZOについてちょっと。2000年創立のアニメ制作会社で、初期の代表作は『ゲートキーパーズ』、『LAST EXILE』、『カレイドスター』など。
この制作会社のアニメの特徴はまずCGの活用。それから独特のケレン味のある雰囲気。そして低予算をうかがわせるB級なアニメの出来栄え。
00年代後半では『ストライクウィッチーズ』や『咲-Saki-』などを送り出す。前者は第二次世界大戦のエースパイロットをモデルとする美少女キャラが、第二次大戦の時代に大戦ではなく、人類の敵ネウロイと戦う話。というか、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」の頭のおかしいキャッチコピーで一世を風靡した萌えミリコンテンツのアニメ版。後者は萌えとガチの麻雀を融合させた漫画のアニメ化。いずれもGONZO製作と言われると納得せざるを得ない独特の個性を持った作品。
そんなあくの強いアニメばかり作っていてやっていけるのかという心配は的中し、2009年に一度解散してしまう。しかし『ストライクウィッチーズ』も『咲-Saki-』も人気を集め、別の制作会社で続編が作られる。これらのコンテンツがGONZOがアニメ化しななかった場合に現在も人気を維持しているかどうかは疑わしい。出来はあれこれ言われることが多いが、荒野を切り開いていいコンテンツを見つけだす力だけは不思議と持っている制作会社だった。
そんなことが評価されていたのか、GONZOというブランドは2011年に復活する。まずは5分アニメ『にゃんぱいあ The Animation』を制作(未見)。次に『LAST EXILE』の続編、『ラストエグザイル-銀翼のファム-』も放送される。2クールの30分アニメだから堂々の復活だ。
この次にGONZO制作として放送されたのが2013年の『絶対防衛レヴィアタン』。一連の流れを見ると、これもまさにGONZOアニメのひとつということができる。独特の個性があり、そしてB級。
2013年は次に『犬とハサミは使いよう』というライトノベルのアニメ版も制作している。これがまた『レヴィアタン』以上に頭のおかしいアニメで、本当にGONZOにしか作れない代物。いずれ機会があれば詳しく語りたい。
ということで、『絶対防衛レヴィアタン』が語り継がれる不思議な面白さをもつアニメとなったのは、制作会社GONZOによるところが大きい。
2015年7月期は『それが声優!』が放送されている。予算を使いすぎない節度ある姿勢と、独特の雰囲気から、このアニメも正当なるGONZO作品であると確信できる。
アニメファンは、有名作品を追いかけて多くのファンと楽しさを共有する生き方と、マイナー作品を発掘して、話の分かる人とめぐり合えた喜びにうちふるえる生き方と、2通りの生き方を選ぶことができる。どちらかがどちらかを否定するものではない。ただ、GONZOの作品はやはり、後者の楽しみ方が多いのかなという感じはする。
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