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ニコン1V3

ニコン1V3は2014年3月に発表、同年4月から発売されたニコンのミラーレスカメラの上位モデル。現在も発売中。

同日に発表された1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6は先に手に入れていたが、ボディの方はレンズとのセットで格安に手に入れたV2を1年あまり使ってきた。

このテレ端換算810mmの超望遠レンズはV3との組み合わせで最も威力を発揮するのは分かっていたが、V3のプレミアムキットはなかなか高額でレンズと一緒に買うのは難しかった。また、後継モデルも出るのではと期待された。

で2016年。今もニコン1のフラッグシップはV3で、時々品切れになりつつも現時点でまだ販売中。価格も販売当初に比べればびっくりするほど安くなっている。そこで、今年の3月にプレミアムキットを購入した。

ニコン1の今後はなかなか情報がなく不透明だけど、少なくとも1インチコンパクトのDLが発売されるまでは販売は継続されるだろう。DLの発売遅れがニコン1の寿命を延ばしているという見方もできる。

一方、ミラーレスカメラの人気に陰りが出ている中、ニコン1J5は販売ランキングでなかなかの健闘を見せている。特に標準ズームと18.5mm/1.8を組み合わせたダブルレンズキットが人気。これは、便利な標準ズームと撮影が楽しい明るい単焦点レンズを安価に組み合わせて売るというなかなか冴えた商品企画で、この商品で初めてニコンの本気が完全に発揮されたように思える。

で、ここに至るまでの商品企画の道程がニコン1の過去の商品を見るととてもよく観察できるので面白い。

面白いとか言ってる場合ではない。ニコン1のVシリーズはそれこそ迷走を繰り返してきたモデルで、V1、V2、V3と全部持っている身としてはそのデザインの一貫性のなさに軽い眩暈を覚える。

V1はデザイナーが抱いている理想がかなり多く具現化したモデルと言え、かつてのニコンEMのように後になってもずっと評価されている。逆に登場したときはカメラらしくないデザインで酷評されたが、余計な機能とデザイン要素を排除したスタイルはデザイナーの志がよく表れている。

が、強気の販売計画に対し売り上げが芳しくなかったようで、モデル末期はかなり安売りされたと聞く。

その反省を受けて出たのがV2。これはV1でマスクされていた機能を表に出し、それを直感的に分かりやすく配置してデザインを仕上げた。確かにカメラとしてとても使いやすいものになったが、見た目は正直かっこ悪くなった。

そして再度反省して出たのがV3。まずグリップとEVFを外付けにして本体をシンプルなデザインに戻した。一方でダイヤル等、機能を表現したデザインはギリギリ残した。パッと見Jシリーズのようだが、金属外装や貼革、軍艦部の凝った面構成などで高級感を出そうとしている。

これが、ニコンの営業部門が売れると考えた(推測)ニコン1。V3の標準形態。

ちなみに標準ズームのVR10-30PDはそれまでの標準ズームVR10-30よりコンパクトかつ高性能になっていて非常に優秀なレンズ。

しかし、ニコン1は性能で妥協しているカメラではない。エンジニアの声もかなり強く反映されていて、カタログを見ればお分かりのように70-300mmのレンズを使えば飛行機や野鳥の撮影が本気でできる。

つまりこれが、ニコンのエンジニアが最強だと考えた(推定)ニコン1。プレミアムキットにCX70-300mm。

グリップとEVFを分離することで異なる部門の声をどちらも否定することなく1つのカメラで実現させた(推測)V3は、ニコンの利益にどれだけ貢献しているかは不明だが、2年以上現役で販売されている長寿モデルとなっていることは評価できる。

ただ、もっぱらエンジニア形態で使ってる身としては、EVFGPSユニットが両立できないのと、電池を交換するときにグリップを外さなければならないという点は不便に感じる。GPSスマホGPSロガーとして使うことで対応できるからいいけど。

さて、ミラーレスカメラの人気に陰りが出ているのは、スマホコンデジからステップアップした人にとってレンズの解放F値などスペックが見劣りがするのと、多くのユーザーはあまりレンズ交換しないという実情によるのだと思う。そしてニコンも高性能レンズを搭載したDLシリーズの開発を行う。

しかし、やはりレンズ交換式は便利で、慣れてしまうとやめられない。一眼レフからカメラを使っていると交換レンズを買うのもあまり抵抗がないので、必要なレンズを一通り買って適宜交換して撮影を楽しんでいる。

これはAnime Japan 2016のときのカメラの形態。V2とのセットで入手した10-100mmの便利ズームとストロボSB-N7の組合せ。

レンズとストロボが白だけどモノトーンだとそんなには気にならないようだ。

広角ズームでスナップ撮影、というときの組み合わせ。EVFを使わないときはもっぱらGPSユニットGP-N100を使っている。銀のレンズはほとんど違和感がない。

V1とV3を並べてみた。間にV2が入らなければデザインが迷走したとは分からないかもしれない。

そしてV3の作例。7月16日に横浜港をブルーインパルスが飛んだので撮影に行った。

編隊飛行は無難に撮れる。

300mmでアップもなかなか。V2よりEVFの性能がよくなって、飛行機を追うのが容易になった。また、V1と違い動体にきちんとピントが合う。

そして撮影場所にアオスジアゲハが飛んでいたのでレンズで追ってみた結果がこれ。まさかピントが合うとは思わなかった。これがニコン1の実力。

なお、この写真では空の影響で露出がアンダーになったのでガンマ補正をしてある。そうでなくてもV3の露出はちょっとアンダー気味に感じる。

画質はV2よりよく、等倍ではちょっと細部が塗り絵っぽいけど、ネットで公開したりプリントしたりする分には問題ない。しかしJ5の方がもっと画質はいいようだ。

操作性はとても使いやすく、チルト液晶も便利。ただしJ5と違い「自撮り」はできない。

液晶がタッチパネルなのもいい。猫や花の撮影で非常に便利。また、画面左のアイコンをタップするとタッチパネルの有効・無効を切り替えできるので、不要な時に誤って撮影してしまうのを防げる。

水準器を搭載しているのも便利で、水準器の表示は背面のDISPボタンで切り替えできる。

4年ばかりニコン1を使ってきて、これは十分実用的なカメラシステムだと思うので、DLが発売されても、継続した販売と新製品の開発を強く希望する。