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ストライクウィッチーズ第5話

ストライクウィッチーズ』第5話「はやい・おっきい・やわらかい」

ストーリー

501の基地のハンガー。シャーリーは朝から自機のエンジンの改造にいそしむ。オートバイのスピード記録を出した時、もっと速いウィッチの存在を知り軍に志願した彼女。自らのストライカーユニット、P-51でスピードの限界に挑戦していた。

芳佳達に自機の性能を見せるシャーリー。800km/hを超える速度を出し記録を更新した。しかし、音の壁はまだ遠い。

シャーリーがいない隙に、P-51の翼にかかっていたゴーグルを手に取ってみるルッキーニ。うっかりP-51を倒して壊してしまう。一瞬焦るが、遅くまでかかって何とか直すことができた。

翌日。501は海で訓練。その頭上をネウロイが通過してゆく。

ウィッチ達は駆け出して基地に戻る。一番に飛び出したのはシャーリー。改造した魔導エンジンがうなり、スピードがみるみる上がる。そして…

視聴コメント

  • リーネちゃんと「編隊飛行」の夢を見たという芳佳
  • それ英語ではどういう言い回しなんでしょうか
  • 特に説明はないけど基地内は皆英語でしゃべっているらしい
  • ウェミダー
  • ルッキーニはエンジンではなく芳佳の声で目が覚めたのかw
  • 迫真の水着作画
  • ビキニの水着というオーパーツふたたび
  • 発明されるのは1953年頃です(wokipedia調べ)
  • ビキニというのもビキニ環礁とは直接関係なく、なんとなく南の島だから名前とったっぽい
  • 扶桑の人だけ普段着なんですがそれは
  • 飛行脚をつけて水泳とかマジ危険w
  • 水中の体の描写がすごく凝ってる
  • SR-71ネウロイ
  • 円盤では不自然な光は消えます
  • ネウロイはロンドンに向かった、ってシチュエーションだけど、速度と時間的にラストシーンはブリテン島飛び越えて大西洋かもしれない
  • EDはルッキーニとシャーリー(斎藤千和小清水亜美

解説

芳佳がおっぱいに覚醒する回。

この回あたりからこの作品のノリが分かってきた。小難しいことを考えながら見る作品ではない。しかし、ミリタリー関係の考証は半端なく突っ込んである。5話は大好評で後の萌えミリの流行はここから始まったと言ってもいいほど。

シャーリーが音速に挑戦するのは、もちろんモデルのチャック・イェーガー氏が初の超音速飛行を成功させたパイロットだから。

それだけではなく、最初にシャーリーが出した800km/hという速度もリアリティがある。プロペラ機はこの辺の速度からプロペラの先端が音速に近づくため、空気の圧縮性の影響により効率が低下し、速度が上がらなくなる。リアル世界でレシプロエンジンのプロペラ機の速度記録はグラマンF8Fを改造した機体のRear Bearが1989年に出した850km/h。1944年時点の記録は1938年にドイツのMe209が出した755km/h。非公式には1944年8月にP-47Jが813km/hを出したとされる。

もちろんストライカーユニットはプロペラで飛んでいるわけではないので、プロペラ機の限界は本質的には関係ない。ということで5話のクライマックスの展開となる。

エースパイロット列伝

チャック・イェーガー

チャールズ・エルウッド・イェーガー、1923年2月13年生れ。アメリカ陸軍〜空軍の戦闘機パイロット。准将まで勤めて退役。本作のウィッチのモデルの中では放送時、そして現在も、唯一の存命中の人。

ちなみに、日本のアニメで美少女キャラにされていることはご本人も認識されているとのこと。

1941年に陸軍に入隊、1943年にパイロットとなり、P-51で実戦に参加。大戦中に欧州で11.5機を撃墜したエースパイロット。

X-1で音速突破、で有名な人だけど、大戦中のエピソードもいろいろおかしい。この時点でまったく常人ではない。

戦後、ベルX-1による超音速飛行のプロジェクトに参加。1947年10月14日にマッハ1.06を記録。人類初の超音速飛行を実現させた。

シャーリーが音の壁に挑戦しているのはもちろんこの史実による。音速突破が壊れたエンジンで実現したのは、2日前の落馬で肋骨を折ったのを隠して超音速飛行に臨んだことからヒントを得ているのかもしれない。

シャーリーのダイナマイトボディは、「アメリカ娘」だからして当然のことだけど、イェーガー氏が愛機に「グラマラス・グレニス」と愛称をつけていたことも関係あるだろう。ちなみにグレニスは妻の名前。

チャック・イェーガー氏についてさらに詳しくは映画『ライトスタッフ』等他の資料を見ていただくとして。

超音速飛行に小ネタを一つ。X-1で音速を超えるとき、空力中心の移動で機体の姿勢が変化するのを、イェーガー氏は水平尾翼の取付け角を変えるトリム調整で制御した(同様のトリム調整機構は大戦中のドイツ機でよく採用されていた)。昇降舵で操作しようとすると舵の折れ角で衝撃波が発生してうまく操縦できない。

X-1の音速突破は当初機密事項とされたが、水平尾翼の取付け角変更のことも当然機密扱いであり、そして、これがジェット戦闘機の縦の操縦を水平尾翼自体を動かして行う「オールフライングテール」の元になった。これは朝鮮戦争でMiG-15に対抗して投入されたF-86に採用され、Gスーツや射撃レーダーなどとともに、ジェット機どうしの空中戦においてF-86をかなり有利にした。

そして今では、ジェット戦闘機にオールフライングテールは普通に採用されている。

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