棺の中は黄色いバラ

仕事が忙しくて鬱で寝込むギリギリのところを走っている。というか実際寝込んだりした。ブログもSNSも放ったらかしとなって、ネットに情報発信するのは本当に心に余裕がないとできないのだなと実感した。

こういうときに漫画はちょうどいい娯楽だと分かった。文字の本を読むのも、時間できっちり進んでいくアニメを見るのも、案外エネルギーが要る。自分のペースで、絵と適度な文字で読み進めてゆける漫画はよい。

でもこの漫画はヘビーすぎないかという声もありそうだけど、逆に大変な時には気楽な人々の話を見る方がつらかったりする。

ということで2巻が出てることを知り、電子書籍で購入して読んだのが本書、タカハシマコ先生の『棺の中は黄色いバラ』。

登場人物それぞれが闇を抱えて生きている。舞台も閉塞感のある田舎。でも絵は繊細で可愛らしく、また少年もかっこいい。

1年ほど前に1巻を読んで、先が楽しみだけど何巻続くのかと思った。隔月の連載で全14回、単行本2本で完結だった。中身がかなり詰まっているので長く続けられるのかと思ったが、話数が限られているのでむしろ計算して作ってあるのが読み返して分かった。

話の内容も踏み込んで語りたくはあるが、やはりネタバレは控えめに。

どういう話か、ということだけいうと、死と共感の物語。

作品としては『それは私と少女は言った』と並ぶ完成度だと思う。

また、『エオマイア』や『それは私と~』は主要キャラに「いやちょっとこいつは許せなさすぎだろう」というのがいたけれど、本作ではそういった者はいなくて、ほどんどのキャラに何かしら感情移入できる要素がある。

さらには、これだけ変な人が出てくる漫画の中で、主人公茨木スミカや、少年細貝柊がとても魅力的な人物に描かれている。

群像劇でだれか一人に入れ込むという読み方が難しかった『それは私と~』に比べると、上記2点ではよりなじみやすい作品かもしれない。

闇ばかりの話だけど、ちゃんと完結していて読後感がとてもいいというのは書いたらネタバレだろうか。

読んでから並べて見ると2冊の表紙も意味深だなと思ったりする。