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サクラクエスト最終回感想

サクラクエスト』は主人公木春由乃が、名前の似ている芸能人椿由乃と間違えられて間野山という田舎町に来たことで始まる話。

登場人物が多いから、表の主人公は由乃だとして、裏の主人公というか、第二の主人公というか、主役ほど目立たないけど大きい役割を果たす人がいるだろうなというのはずっと感じてた。

序盤はそれが四ノ宮しおりだとばかり思っていたのだけど、終わってみると裏主人公は門田丑松(CV:斧アツシ)その人であった。

たしかによそから来た「若者で馬鹿者」が間野山を変えたけれど、実際に変えた一番の功労者は丑松その人。

前半はしおりちゃんのキャラクターで視聴者の目を引っ張り、気がついてみると丑松ら年寄り組(「天寿の3P」に草不可避w)を応援しているという、不思議なアニメだった。

「若者で馬鹿者」とは用語でいえば「トリックスター」の役割なわけだけど、一番トリックスターしてたのはどう考えても丑松だろうという。

では四ノ宮しおりとは何だったのかというと、地元民の代表ヒロインということになる。

これは主要登場人物を表にしてみればすごくはっきりしている。

ヒロイン 出身 放送より前 放送時 放送後 注釈
由乃 どこかの地方 東京 間野山 間野山の外へ プロ国王
IT大臣 不明 東京 間野山 間野山 Iターン
おでん 間野山 東京 間野山 間野山 Uターン
だんない 間野山 間野山 間野山 間野山 地元代表
さすりり 間野山 間野山 間野山 間野山の外へ 目覚めて旅立つ人

5人は間野山のかかわり方に関して順列組み合わせ的に5つのパターンにきれいに分かれる。

凛々子は出生は間野山か不明だが祖母のところにずっといたので出身としては間野山だろう。

都会と間野山のかかわりを放送前と放送時の期間で組み合わせれば「間野山-間野山」か「東京-間野山」かの2通りにまず分かれる。なお、「間野山-間野山以外」と「間野山以外-間野山以外」は主要キャラになり得ない。後者は出身によりIターンとUターンと一時滞在の3通りでそれぞれ早苗、真希、由乃となる。前者はしおりと凛々子で、この二人はどうなるのかと思ったが凛々子は世界へ旅立って行ったのでこれできれいにパターン分けが完了。

四ノ宮しおりは、いわば間野山の魅力を人の形で見せるのが役割だったのだと思う。このまま「さえない田舎」で一生を終えるのか、より活気に満ちた間野山で生きていくのか。前者の選択を「あり得ない」と視聴者に思わせるためのキャラクター。

国王は新中央航空のドルニエ(実はドルニエ社はもうないのだが)でどこかの島へ。国王が実は学生時代にモデルのバイトで契約していた事務所とまだ契約関係にあるというのが、今回の「お仕事シリーズ」でユニークなところで、いわば勤め人ではなく芸能人的な職業に就いたという結末。

ドルニエで行った島は「椿」だけに大島だろうというのが大方の予想。

「頑張ってればいつか自分に合った仕事が見えてくるよ」。そんな話なのかなーと思ってみたりする。1話であのコミュ力と見た目で就職できないのはおかしいだろうと思ったところはちょっと目をつぶろう。