唐突だけど図ができたので第3弾。
翼は梁だけど、梁だったら何なのか。
立っているのはそれほど大変ではないけど図みたいに両手両足で空中に横になっているのはけっこうしんどい。
立ってる方が「柱」で横になってるのが「梁」。
建物でも縦方向の材木が柱で横に渡すのが梁。
ざっくりとした定義は、部材の軸に沿って力がかかるのが柱で、軸に直角に力がかかるのが梁。
柱なら、たとえば立っている人なら自分の体重だけ支えればいいし、1kgの荷物を支えるのも1kgの力(9.8N)だけ支えればいい。
ここで唐突にてこの原理。
長い方の端に力をかければ、支点の反対側の短い端には長さの比だけ大きい力をかけることができる。
図では適当に10Nの力をかけて50Nとつり合わせてみた。
支点のところで90度曲げても同じこと。この場合は水平方向の力とつり合うことになる。
力を逆にすれば釘抜き。バールのようなもの。
大雑把に言えば、翼が大変なのはこの90度曲がったてこに相当すること。
翼と言わず梁というのは全般にそう。
柱なら10Nの力を10Nで支えればいいけど、梁では高さと長さの比によっては荷重の何倍もの力がかかる。図では10Nが50Nになる。
可変後退翼機は翼の付け根が1本のピンでヒンジになっているけれど、ここにかかる力はそれはもう大きい。
ここで分かってほしいのは、梁は高さが高いと、同じ荷重でもかかる力が小さくなること。
空力からは抵抗を減らすために翼を薄くしたい。そして、構造からは軽くするために翼を厚くしたい。
このトレードオフで飛行機は設計されているのです。