2012年に買って愛用していたバランスド・アーマチュア型イヤホン、XBA-2SL。
特に不満があるわけではなかったのだけど、2015年にスマホをXPERIA Z3に機種変してから、ハイレゾ対応でないことが気になっていた。
ハイレゾはCDの44.1kHz-16bitより高品質の音楽データに対する呼称で、たとえば48kHz-24bitのハイレゾであれば、ハイレゾ専用のイヤホンの必要性はない。
ハイレゾ化で音質がよくなったと感じられる理由の多くは、CDとハイレゾでマスタリングが違うためで、特に振幅の24bitを活かしたマスタリングだとCDに比べて見違えるほどよくなる。
というか最近のCDのマスタリングは音圧を上げようとして歪んだことになっていて、テレビで聴いていいなと思ったアニソンをCDなりCDと同等の音声データなりを購入して聞いてみるとあれれ? となることがままある。
逆に言えば、ハイレゾ用マスタリングの音楽をCD並みにダウンコンバートしても音の劣化は分からなかったりするわけだが。
ということでハイレゾの音楽を聴くのにハイレゾ対応のイヤホンは必ずしも必要ないのだが、やはり96kHzのナイキスト周波数48kHzに近い領域まで再生できるイヤホンは気になる。
あんまり気になったので2015年の暮れにソニーのXBA-300を買った。
立派な箱入り。
バランスド・アーマチュアらしいコンパクトなイヤホン。
前後非対称で左右が分かりやすく、スケルトンケースで中が見えるのもいい。イヤーピースの取り付け部は真鍮の削り出しで高級感がある。
前側はマグネシウム合金のケースに3基のBAユニットが収まっているのが外から見て分かるようになってる。後ろ側はネットワークの基盤が見える。
2年以上使って文字がだいぶかすれている。
で、つい先日、これに気がついた。
左右のケーブルが合流する位置で断線寸前という状況。
しかもむき出しになった銅線が接触している。
これで音に何の変化もなかったのだから不思議。
多分むき出しになったのはマイナス側の線で、どのみちジャックで1本にまとめるから途中で接触しても問題ないらしい。
線が伸びすぎて切れそうになった時はまず音質に影響ない側が切れ、外見の違いで故障が分かるようにする、というのはダメージコントロール的な思想としてよくできてる。
そこまで設計で考えてあるのかはちょっと分からないが。
ともかく、XBA-300を選んだ理由は、断線しても高価なイヤホン本体は捨てずに、ケーブルだけ交換できるという点。
さっそくネットで製品を探したら、新品とセットのケーブルの単体売りが見当たらない。
まあリケーブルも興味があったので、XPERIA対応のバランス入力でない方のケーブルをぽちった。
ケーブルなのにこの立派な箱入り。
さっそく交換。抜き差しは力を入れる方向に気をつければ簡単。パチッと外れてパチッと入る。それでいて使用中に不用意に外れたりはしない。
Y字に分かれた側はいいけど、ジャック側は布巻きで5mmぐらいの径がある。
スマホに刺すとこの立派さ。
横に付属のケーブルのジャックも比較として示す。これぐらいボリュームが違う。
なお、スマホはZ3が18ヶ月で電池が死亡。泣く泣く機種変したXPERIA X Performance。電池の容量が減ったおかげか約18ヶ月経過後もまだ順調に動いている。
もちろんこれもハイレゾ対応機。128GBのMicor SDを入れているのでハイレゾを入れまくってもしばらく容量は大丈夫。
で、聞き比べてみたところでは、当初のケーブルと違いは分からず。
XBA-2SLと比べてみたら明らかに違う。XBA-2SLはこれだけしか使ってないなら分からないけど、XBA-300と比べると高音が出てない。XBA-2SLとXBA-300では値段なりの違いがしっかり感じられる。
それに比べると、ケーブルはかなりコストを抑えても十分な品質になってしまうので、それを高品質なものに変えても音としては違いはほとんど分からない。
とはいえ、イヤホンケーブルなんて数が出る製品ではないから、品質を落としても安く流通させるのは無理だろうから、付加価値をつけてそこそこの値段にして足が出ないようにする、という商品戦略はあり。
アナログの伝送ケーブルなので、「高音質LANケーブル」とか、「高音質SDカード」、よりは効果がある製品ではないかと思う。
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