今月になって始めた『殺戮の天使』の二次創作の投稿までのメイキングです。下手な雑描きが「作品」になるのは才能がどうこうではなく、作品になるまで仕上げてゆく手順と作業です。
仕上がりをイメージして手順を考え、実際に作業する。そのために資料を用意したりソフトの使い方を覚えたりする必要がありますが、どれも必要と思えば手に入るスキルと考えます。
事前にあるていど落書きをしながらこの作品の二次創作はどうしようかと考えましたが、ぱっとひらめいたこの絵を進めていこうと思いました。アニメEDの後に続く場面があるとしたらこんなことかもしれない、という簡単な発想です。
A4のスキャナでスキャンすることを考えて、先ほどのラフ画を見ながら人物の下絵を描いていきます。
下絵にトレーシングペーパーをマスキングテープを使って仮止めして0.2mmのシャーペンでトレスします。今回はトレス1回でスキャンして後はデジタルでやろうと考えました。絵によっては2~3回トレスと修正を行ってからスキャンします。
スキャンしてから地色を白に、線画をより濃い黒になるよう色調整をし、次に絵のフォーマットの中に位置と大きさを調整して配置します。縦構図の絵は写真の2:3のフォーマットが慣れているのでいつもこれにしています。解像度は1600x2400で、以前はこれを完成後に50%にして800x1200で公開していましたが、今は作画の痕跡が読み取れる制作サイズで投稿しています。
スキャンした絵が傾いているのは、浮揚感を演出するのに重心位置が大事なので、それを調整するためGIMPで回転させたためです。
顔がだいぶ変ですが顔はデジタルで大幅に修正可能と経験的に分かっているので先に進みます。
デジタルで線画を修正しました。顔は位置と形がかなり変わっています。靴は放送2話で大写しになるので画面を見ながら形をメモしておき、それを見ながら描き込みました。昨日の放送を見て描き込み不足に気がついたので次の作品があれば反映します。
Tシャツはアニメを見るともう少し裾が長いですが、背中が見えないとこの絵を描く意義の半分が失われるのでギリギリの妥協点をここにしました。
色塗りです。レイヤーを分けて色を塗り分け、色調整して影をつける準備をします。
髪の毛は最小限の線だけ引いておいて、あとはある程度筆任せで形を作っています。風でふわっと浮き上がる長髪とかもっとちゃんと描けるようになりたいですね。
月の円は、SAI2の鉛筆ツールを思いっきり太くして「点」として描いています。
金曜の夜に色を塗り始めて土曜の朝に月を描いて、夕方には体全体を仕上げて投稿しました。
SAIの場合は色を塗ったレイヤーの上に「下のレイヤーでクリッピング」したレイヤーを置けば、下のレイヤからはみ出さずに陰影を塗ることができます。このクリッピングしたレイヤーは1つのレイヤーに複数置けるので、例えば肌の場合影とハイライトと血色の良さを表すピンクの層を別々に作って重ねることができます。
月は自分で撮影した写真をHDDから発掘して使用。満月は登ってから沈むまで同じ円ですが、角度が時刻によって変わるので、撮影時間から実際の絵の想定時間を考えて回転変形しています。あと絵にしやすいようコントラストを変えています。このまま絵に合成しようかともおもいましたがさすがに絵で描きました。
羽毛は下書きなしで、鉛筆ツールでアウトラインを意識しながら塗りつぶして作成し、根元のファーの部分をエアブラシと筆で足して、あとは「下のレイヤーでクリッピング」したレイヤーでちょっと陰影をつけています。最後に下のレイヤーに薄くエアブラシを吹いて光ってる感を出します。
構図としては逆三角形構図で、重力を想定すると不安定に見えて動きを演出できる構図ですが、「上に落ちる」という普通じゃない重力の状況を考えてほどほどの動き感を狙ってみました。
ヴァンゲリスの『反射率0.39』のジャケットもちょっと意識してます。
髪の毛は先の方に行くほど密度が薄くなるので背景が透けて見えるように色を乗せています。自分の経験ではこれが限界><。
で、今回イラストをブログのネタにしはじめたこともありメイキングを意識して進めたのですが、記事を考えながら自作を繰り返し見ているうちに違和感がどうもある、というのでちょっとした修正を加えて再投稿しました。
額の角度をちょっと変えるだけでだいぶ印象が変わるものです。横顔はある程度自信があったのでその油断からデッサンの狂いに気がつくのが遅れました。
しかし再投稿が課金対象というpixivの企画は鋭いところをついています。
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