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色を塗ろう(色相)

私は図工の成績がよくなかった。手先が器用でないので工作の点が低く、絵の具もうまく使えず。友だちの顔を描きましょうで多少リアルな顔を描いたぐらいでは成績がよくなるはずもない。

色鉛筆にしろ絵の具にしろ一度塗ったら消しゴムで消すようにはやり直しが効かない。こういったことから絵の具に苦手意識のある人は少なくないと思う。

しかしデジタルペイントが身近になった現在。色塗りに対する自由度は果てしなく高まっている。なにしろ塗り直しが可能だし、濃い色の上に薄い色も塗れるし、狙った色を出すにはどの絵の具を混ぜるかも悩まなくていい。

もちろんペンタブは回転の自由度がないから平筆を角度により太さを変えるとかいうテクニックが使えないとか細かいあれこれはあるけれど、アナログの時代よりは彩色したイラストを速いペースで制作できる環境が整っている。

とはいえ、自由度が高いだけに色塗りの方法は基本を抑えていないと難しい。これ以降のエントリーではしばらく色塗りの基本を語っていこうと思う。

まずは色相。赤とか青とか、そういう原色の話。

目に見える光の正体は電磁波で、波長380nm〜750nmの範囲の帯域が目によって光として知覚される。

波長が長い方から赤、橙、黄色、緑、青、紫、というふうに色が変わって見えて、赤より波長が長くて見えない光は赤外線、紫より波長が短くて見えない光が紫外線となる。

wikipediaからスペクトル図を拝借すると以下の通り。要するに虹の七色は光の波長の違い。

可視光線 - Wikipedia

そしてこの虹色が全部合わさると白になる。

なぜかというと、太陽の光を白に見えるようにヒトの目がキャリブレーションされてるから。他の星の人はそれぞれの星の太陽に合わせてキャリブレーションしてあると思う。

理系なんでどうも言葉の選択がアレで申し訳ない。

上の図の虹の七色は七色というよりスムーズにつながっているので無限の色がある。とはいえ、イラストを描く上では知らなければいけない色はそんなには多くない。

最低限の色を選ぶと図のような6色になる。

時計の10時の位置に赤を置いて並べてみた。モニターにより色の見え方が違うかと思うので、念のため各色にRGB値も示している。

赤は(R255,G0,B0)、緑は(R0,G255,B0)、緑は(R0,G0,B255)でRCBの座標が1成分だけMAX値で他はゼロ。これがいわゆる「三原色」で、テレビやモニターで白を表示したときにルーペで拡大してみると実は赤緑青の3色が光っているのが確認できるように、この3色の光を単純に合成すると白になり、3色の明るさを変えて合成するとあらゆる色が再現できる。

まったく不思議だけど、ヒトの目の色を知覚できる細胞が赤、緑、青の3種類しかないから、というのがその理由。ヒトは3種類の色覚細胞がどの程度刺激されているかで色を見分ける。逆に、3原色を加減して作った色と、本物の色とは区別がつかない。

デジ絵も3原色をどう混ぜるかを考えてゆけば、理論上あらゆる色を再現できるけれど、RGB値で色を作るというのはヒトの直感に反するのでお薦めしない。

なので、三原色にもう3色足して6色程度の色の違いを把握しておいた方がいい。

足した色は橙と黄色と紫。これらの6色を赤から時計回りに波長が短くなる順に丸く並べたのが上の図。

ここでまったく不思議なのだけど、波長がもっとも長い赤と最も短い紫は隣に並べると赤と青の間をスムーズに繋げることができる。なので、原色は輪にして表示することがあって「色相環」と呼ばれる。

青の先が紫なのは、多分、赤の波長の半分に近くなるので、赤を感じる細胞が紫の光にも反応するようになって、青より波長が短い光は赤と青が混ざった色に見えるのだと思う。

可視光線の見える領域は波長にして2倍という、実はかなり狭い領域で、音階では1オクターブしかない。聴覚が20Hz〜20kHzと3桁もあるのとかなりな違いがある。

また理系トークに行ってしまった。

6色で色相環を構成することで、隣り合う色が「同系色」と言っていい程度に近い色になった。また、この6色を輪にすると反対の色がちょうど「補色」になる。

このエントリーで一番覚えてほしいことは「補色」という色の組み合わせがあるということ。

補色は何かというと、例えば赤い色をずっと見てから目を閉じると、まぶたの裏に緑がうっすらと見えると思う。これが赤に対する補色の緑。

夕日を目を傷めない程度に見てから目を閉じればはっきりと緑の太陽がまぶたの裏に見えるはず。

補色は絵の具の場合混ぜるとほぼ黒になる。そして、補色どうしを分けて並べると互いに強調し合う効果がある。

色を感じる細胞はとてもデリケートらしく、同じ色の光をずっと受けているとダウンレギュレーションを起こして感度が下がるようにできてる。赤を見続けると赤を感じる細胞が鈍感になる。この時まぶたを閉じると、相対的に敏感なままの細胞の信号がまぼろしの色を見せて、それが緑に見える。

なので、補色どうしを並べると目の細胞が休む暇なく刺激されまくり、強烈な印象を受けることになる。

具体的に補色を並べると以下の通りで、存分に目をチカチカさせてください。

もっとも、単純なRGB値で作った色どうしは厳密な補色ではなく、補色どうしでもくっついてチカチカしないものもあり、上の図も「赤と緑」以外は普通に見られる組み合わせかと思う。


補色を意識して世の中の色彩を見ると、特に人工物は、補色同士がくっつかないように慎重にデザインされていることが分かると思う。

とはいえ、補色は互いに色を引き立てるので、例えば間に白を挟むとかしてアレンジするといいアクセントになる。

イタリア国旗がまさにその例で、補色を大胆に組み合わせているところはいかにも「デザインの国」であると評されている。

他は、赤や橙は見てて温かい感じがするので暖色、青や緑は寒い感じがするので寒色。これはよく知られている。

黄色は他の色に対して前に出てくるように見える。逆に、紫は引っ込んでるように見える。なぜかは分からない。

以上、色相の話。「同系色でまとめてアクセントに補色を入れる」というフレーズを覚えるだけでも色塗りは楽しくなるかと思う。

そして、色は赤緑青の合成なので、目の前のものの色はどれも必ず色相環のどこかに近い色がある。これから塗る色は色相環でどの辺か、を考えるようにすれば色を決めるのはより簡単になるはず。

黄色は飛び出す色なので背景に置いたときけっこう調整が大変だったという作例を最後に紹介。

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