Great Spangled Weblog

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吉見百穴

アイドルマスターミリオンライブ!のフェアリー属性代表最上静香は埼玉県出身。好きな食べ物はうどん。

そんな最上静香が学校の行事で何度か来ているであろう埼玉県の遺跡、吉見百穴に行ってきた。

そんなに遠くないところに住んでいるのだけど、なかなか行こうと思いつかず、前に来たのは2005年のはじめぐらいだから十年以上空いてしまった。

とはいえ穴が沢山空いた岩山という奇観は変わらず。

かつては住居だとも言われたが古代の墓だということが定説となっている。

そして岩山の下の方は戦時中に掘られた洞窟がある。

中島飛行機が空襲に耐え得るエンジン工場を建設しようとしたため。

昔はこの穴のもう少し奥まで行けたけれど、今は入り口のところしか行けない。

奥の横穴はかろうじて覗くことができる。この洞窟は特撮や映画やCMでも使われた。

かつてはかなり自由に穴に出入りできたようだけど、今は柵や鉄格子で基本的に穴に入れない。

久しぶりに階段を上がる。

8月最後の週末は晴れて暑かった。

階段の上からの眺望。

山頂にはかつて使われていたらしい家屋が。

穴の一つは日本三大がっかり天然記念物とされるヒカリゴケの自生地が。

金網にはカメラのレンズを通す穴があって中を撮影できる。

小学校の遠足で来て最初に見た時も何がヒカリゴケかよくわからなかったが、今もよくわからない。たぶん下に生えている蛍光グリーンの植物がヒカリゴケ。

植物の勢いがあまりよくなさそうだというのもあるけれど、ほとんどの人は「ヒカリゴケ」という名前からホタルのように自分で光るものだと思ってしまう。なので、金網を覗いては「なにもないや」とがっかりしてしまう。

少なくとも、隣の看板を読んで、「レンズ状細胞がコーナーリフレクターのように光を反射して光って見える」という知識を持って見れば違った印象になるであろうに。

こんな低地に自生しているのは貴重で、氷河期の置き土産と言える。

もう一方の地下工場の入り口側から超広角レンズで。

外からは小さい穴に見えるが、中は入り口の倍以上の幅の広さがあり立派な部屋になっている。ちょうど地下工場入り口のところが一つの穴を後ろから破壊する形になっていることに気がついて、このように中を撮影できた。緑のコケがヒカリゴケかどうかは不明。

穴の奥からは涼しい風が吹いてきて心地いい。地上が40度とかいった猛暑になっても、ほんの何十メートルか地下に入るだけで温度は年間ほぼ一定になる。地表の人間の営みなど大地の大きさに比べればささいなもの。地中と熱のやり取りをする熱風を出さないエアコンも開発されているがなかなか普及しない。

入り口右側に新しく吉見町埋蔵文化財センターという建物ができている。

このあたりにはムクゲが植えてあったはず、と探したらその奥にあった。

「日朝平和友好植樹」とあり1976年8月22の日付がある。

中島飛行機の地下工場建設は徴用した3000~3500人の朝鮮人を使役して行われた。いわゆる強制連行により労働者を確保したわけで、日本の負の歴史の一つといえる。

徴用した朝鮮人は戦後全員帰国したという。この植樹はその後の何らかの行事の記念と考えられる。

戦時の徴用に関しては一度はこういった形で和解がなされているということは事実として示しておきたい。だから相手方に黙っていろとか日本人に悪いところがないなどというのは極論だし、かといって、自分たちが直接経験したことでないことで互いのヘイトをあおるのもよくないことだと思う。

このブログを書く前に調べたところ、ムクゲは柵に沿って植えたものもあるというので写真を見たら本当でピンクの花が咲いていた。

すっかり昼になってしまったので、向かいの食堂に入った。

肉汁つけうどんはまさにこのあたりのうどん。讃岐うどんが流行っているけれど北関東のつけうどんもよい。これは最上静香さんもうどん好きになるはずだ。

下調べしないで行ったので松山城跡など他の史跡に寄らずに帰ってしまった。後から知った情報だと、この写真に納まっている木が生い茂った崖にかの「岩窟ホテル」があるらしい。

別に遠いところではないので、暑さもおさまってきたしまた行ってみたい。