Great Spangled Weblog

コメントははてなにログインすると可能になります(SPAM対策です)

拉致問題国民集会

昨日、2014年以来4年ぶりに拉致問題の国民集会に参加してきた。

今回は安倍総理の出席もかない、総理は日朝首脳会談も視野に入れつつ全力で取り組むと話して会場を後にし、夕方の飛行機で米国に向かった。

集会の内容は昨日の19時のNHKニュースが要領よくまとめていたのでNHKのサイトなどをご覧願いたい。

www3.nhk.or.jp

拉致被害者家族が大規模集会 政府に最大限の取り組み要求
2018年9月23日 18時17分

非核化をめぐりアメリカと北朝鮮の駆け引きが続く中、拉致被害者の家族が東京で大規模な集会を開き、すべての被害者を一刻も早く帰国させるという北朝鮮への要求を決して下げることなく、確実に肉親と再会できるよう、政府に最大限の取り組みを求めました。

集会では、はじめに拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん(80)が「これまで焦った結果、北朝鮮にだまされ、被害者の帰国に結びつかずにきました。今度はそうはいかない。政府は被害者の帰国だけに焦点を当てて取り組みを進めてほしい」と求めました。

このあと、家族一人一人が壇上に立ち、横田めぐみさんの母親の早紀江さん(82)は「残された被害者は40年間、どれほどの孤独感に耐え続けていることでしょう。この問題が放置されることなく、絶対に解決されることを願っています」と訴えました。

また、16年前に帰国した曽我ひとみさん(59)は、一緒に拉致された母親に買ってもらった時計を持参し「40年間母に会えず、本当に寂しくてなりません。北朝鮮にいるとき、時計は何度か止まり、母はどうしているのかと寂しさの中で暮らしていました。帰国後は止まっていた時計も無事に動いています。母は元気で日本に帰ってくることを願って頑張っていると思います」と話しました。

集会では最後に、被害者を帰国させるための実質的な協議に応じるよう北朝鮮に要求するとともに、政府に対し、すべての被害者の一刻も早い帰国という要求を下げず、全力で取り組むよう求める大会決議を採択しました。

熊本市出身の拉致被害者松木薫さんの姉の斉藤文代さんは「亡くなった母親は生前、『薫は海の向こうにいる』と私が告げると、翌日から薫を捜し求めて海岸に出歩いたり、夜にも出かけたりするようになりました。私もみずからの病気に負けず、父と母の墓前に必ず連れて帰るという信念を持って一生懸命頑張るので、応援をよろしくお願いします」と述べ、肉親の帰国に向けて協力を求めました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180923/k10011641571000.html

なので当方からは少々の補足。

Q:事件からの時間の経過から、拉致被害者が「全員生きている」という想定は妥当なのか
A:「死亡した」という確かな証拠が北朝鮮から得られていない。したがって、政府は全員生存しているという想定の上で、全被害者の即時一括帰国を目標としている

家族会の発言で「安倍総理が3選されて本当によかった」という声があり、なぜかというと、石破氏の提示した「連絡事務所の設置」は、「死亡の証拠がないから全員生存」という前提が共有されていないからだという。

まして、合同調査委員会の設置などは日本が受け入れることはあり得ない。誘拐犯を逮捕もせずに一緒に合同捜査をして事件が解決するわけがない。

これについては司会の櫻井氏から以前の集会で家族会の方が話された言葉の紹介があった。「子供が池に落ちたという事故を考えてください。大人たちが全力で救出をして、病院に運んで、医師から脈がないといわれて、それでようやく家族は納得するのですよ」。この話は私も直接聞いたと思う。家族の方にこれほどの思いがあるのに、証拠もなく我々が生存を疑ってはいけない。

Q:被害者がもし死亡していた場合総理はどう責任をとるんですか
A:責任は拉致した方がとるに決まってるじゃないですか

このQは会場の発言ではなく、党首選の討論で大手メディアの論説員が問いかけたことだという。

会場で話が出たのは、向こうの方も日本の世論の分断を図ってきている。例えば、下記の記事にあるように「日朝国交正常化推進議員連盟」が動きだしていて要注意だという。

www.sankei.com

拉致問題に対して事態が膠着しているように見えることから、宥和論が広まり、北朝鮮に有利な状況が生じつつある。そのような声には会場の皆さんもぜひ批判をしていってくださいとの要請があった。

拉致問題が動かない最大の理由は、日本が「全被害者の即時一括帰国」という目標を一歩も譲らないから。

しかし、誘拐犯を相手に「被害者を返せ」という要求を下げることができるだろうか。日本は最低限の要求をしている上に、拉致問題の解決の後には、国交正常化と、日本が可能な範囲ではあるが経済支援も可能としている。核・ミサイル及び人権問題がある以上あまり大盤振る舞いはできないとはいえ、これほど甘い条件もなかろう。

したがって、拉致問題が動かないのは北朝鮮が態度を変えないからであり、その意思を変えるために日本が、アメリカはじめ各国との協力を得ながら活動を続けている。

日本が目標を下げてしまったら、拉致問題は誤った結果に着地してしまう。

会場で共有された危機感はこのようなものだった。

拉致問題が解決し、もうこんな集会を開かなくていいときが早く来ることを願ってやまない。