Great Spangled Weblog

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宇宙よりも遠い場所 STAGE08

宇宙よりも遠い場所』STAGE08「吠えて、狂って、絶叫して」

ストーリー

キマリ達を乗せてペンギン饅頭号はフリーマントルを出港した。もう引き返せない。

4人は船内の動画取材や調理場の手伝いなどをしながら、船の生活に慣れていく。鮫島料理長からは「早く船に乗れるといいね」と意味不明のことを言われる。

不思議に思いつつ、運動、入浴、食事とたわむれつつ生活を続ける。

しかし、異常な眠気に襲われる結月がやがて吐き気を催し、全員が船酔いで寝込んでしまう。出すものがなくても吐き気だけは続く。無理にでも食べた方がいいというかなえからのアドバイスで食事を取るにはとるがリバースの連続。

南極を目指す船は揺れが大きくなる一方。停泊してもかなりの揺れ。そして、「吠える40度、狂える50度、叫ぶ60度」とさらなる荒れ狂う海へとつき進む。

大きく傾いて揺れる船の中。船酔いで寝ることもできず、外は荒れ狂う海の音。ひどい絶望感。しかし、自分が選んでここにいるのだと気づくキマリ。そして吐くことに慣れてきたことに気づく4人。それは4人が船に「乗れる」ようになってきたきざしだった…

視聴コメント

  • 温かい地面を惜しむ四人
  • 十字になって寝転がり、「南極でまたやろうね」
  • サブタイトルからすでにゲロインw
  • 隊員にインタビューという形で南極観測についての説明
  • ジャガイモをオピネルのナイフで剥く
  • (船内ポスターのステーキを切る用の「アーミーナイフ」がこれと思われるのでオピネル確定。折りたためるからシース不要で船に積むには便利なはず)
  • 船内の運動とか大変だな
  • 体が基本か
  • 2話の超速ランナーも伏線だったんだな
  • しらせ5003はひゅうがと並ぶ1万トン超えの自衛隊最大の艦艇だったから一周回るとけっこうな運動になるはず(今はもっと大きいいずも級があるけど)
  • 「死なせますヨン♡」
  • 貴重な入浴シーン
  • 海水風呂
  • 髪の毛キシキシ(はいふりで見た)
  • キマリの前髪の秘密がw
  • シャワーは一応淡水である
  • キマリと報瀬のメシの量w
  • 眠気からの吐き気(第一号は結月ちゃんだったか)
  • Bパートパイプからとかw
  • 船酔いで双眼鏡覗くとかw
  • 南極までの間に海が荒れるのはそんな理由だったのか
  • 場面が突然暗くなって揺れが激しくなる演出すごい。
  • キマリの自分で決めてここにいる発言から流れが変わる
  • まだ船酔いはあるけど、吐き気に慣れるという開き直った態度は船酔いを克服しつつあるきざしだった。
  • 4人で申し合わせてデッキに出る。
  • 波をかぶって軽く死ぬどころかきわめて死にそうな状況
  • まあわざとやってるわけだが
  • アニメの無謀ゼッタイ許さないマンがSNSで大暴れw
  • 無茶を承知でやってるし手すりをがっちり掴んで流されないようにしてたんですがね
  • 挿入歌とともに南氷洋の氷山が…

解説

フリーマントルからペンギン饅頭号が出航。

ここで三宅日向名言集その1。

引き返せるうちは旅ではない。引き返せなくなったときに、初めてそれは旅になるのだ。

これによれば8話からが本当の旅。

外洋に出たらヘリコプターでも陸まで戻れなくなるから、もはや4人ぐらいでは死んでも引き返せない。

OPEDで「フラテルニテ」と不穏なワードが出る仰向け4人十字はフリーマントルのこのシーンが実際にやったシーンその1。

放射状に寝転がって仰向けになるポーズは『ハナヤマタ』でもやってた。あっちは5人(年末年始にニコニコ動画でポイント使って一気見した)。

南極に行く航路で船がやたら揺れることは、前回紹介した『不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス』にも出ている。船酔いを覚悟していたら全く酔わない。不肖氏は海自のカンボジアまでの無寄港航海に同行取材したときに慣れてしまって、しらせ5002の揺れは全然平気だったとか。カンボジア無寄港航海は『ああ、堂々の自衛隊』参照(電子書籍あり)。

なぜ南極までの海が荒れるのかはこのアニメで初めて分かった。南極大陸がおおむね南極圏(地軸から23.4°の範囲、南緯66.6°)の内側にあり、その周りを海が一周しているのが理由。

地球は赤道付近が暑く、赤道から南北に離れると寒い。赤道付近で温められた空気は膨張して軽くなり上昇する。そして北や南に運ばれ、冷やされて下降する。

地球は地上で見ると東に向かって自転していて、赤道付近は一番スピードがある。地球の周長約4万kmを24時間で一周するから、その速さ時速約1670km/h。赤道付近から南北に向かう上昇気流はこれだけの速さを持っている。

赤道から離れた空気は、より周長が短くなる北極側、南極側に移動すると、地上の速度が赤道ほど速くないから、慣性で東に移動する。これがいつも西から東に吹いてる偏西風の理由。

逆に極地の方で冷やされた空気は、速度ほぼゼロから速度1670km/hの赤道まで移動する間に、地面に置いて行かれるので、西向きの東風になるのだけど、地表に近いので摩擦で勢いを殺されてあんまり強く吹かない。

上空は邪魔するものがないので、ジェット気流とかすごい風になってる。

海の波は風が起こしている。風と海面の間の摩擦力が海に波を生じさせる。だから、風が強いときには波も強い。

とはいえ、波を起こす風は海面近くの風なので、陸地、中でも高い山があるとさえぎられて弱くなる。しかし、南極の周りは一回りぐるっと海で、一番狭いところも南米南端-南極半島北端で約1000kmもあるから、風の勢いが衰えず、その結果波も強くなる。

南極行くのに船がやたら揺れる理由は、地球が球体で自転しているという簡単な物理で説明できるので面白い。

船酔いしないためには、自分が船に揺すられているのではなく、自分が船を揺すっているつもりになれ、と言われることがある。車の運転手は車酔いしないことを考えるとなるほどと思う。

8話ではキマリが、「自分で選んでここにいるんだ」と気づくことが船酔いを克服するきっかけになる。

自分が受動的に流され、揺すられているのではなく、選んで今この道を進んでいる、と気持ちを切り替えることが大事なんだと思う。この切り替えができることが、鮫島料理長の言う「船に乗れる」ということなのだろう。

まあ本当のところは三半規管が慣れて体が船乗りになっただけだとは思うけど。

生理的な現象はともかく、物語としては、ここで4人が南極への旅をハックしたと、さらに言えば人生さえハックしたという、大きい成長を描いているのだと思う。

まあ、「ハック(hack)」という単語で表していいのかは本当はよく分からないけど。8話は4人が旅や人生を自分のものにした。荒波を多少被っても平気だ。船の揺れぐらいなんでもない、と気持ちが切り替わる瞬間を描いた話だと認識している。

ハイスピードよりもい

sketch.pixiv.net

8話はいろいろ考えたけど提供絵の結月ちゃんが可愛くてこれに。録画を一時停止してひたすら模写(トレスではない)。

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