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足利ひめたま御朱印の旅

足利ひめたまは足利商工会議所や企業などの有志による地域振興を担うイメージキャラクター。

www.himetama.jp

「ひめちゃん」ははたがみ織姫様。足利市の織姫山に建立された織姫神社の神様。

「たまちゃん」は門田みたま様。足利市の一社八幡宮にある門田稲荷の神様。

しばらく前に神社の御朱印を集めるようになって、いつか足利のこの二社の御朱印をいただきたいと思っていて、昨年の年末にいい機会なので参拝してきた。

まず織姫神社

織姫山の中腹にあり、足利の市街地から階段を登って行ける。が、北東から自動車が入れる道が整備してあり、空いてる時期(例えば年末)には神社のすぐ横に車で行くことができる。

関東地方なので冬は天気が良い。この日は風もあまりなかった。

渡良瀬川の上流側の眺め。

朱色が鮮やかな拝殿。

この社の歴史は比較的新しく、織姫神社としてこの地に遷座されたのが1879年(明治12年)。翌年火事で焼失し、今の社殿は1937年(昭和12年)に完成したという。

拝殿からの眺め。縁結びの神社として知られ、空いてる年末にもかかわらずこの写真にも3組が写っている。

御朱印社務所で受け付けていただける。

いつの間にか「愛の鐘」というものができていた。

続いて門田稲荷。

下野國一社八幡宮の境内にある。

八幡宮は茅の輪が設けられていた。初詣の準備が進んでいる。奥の階段の上が拝殿。

立派な神楽殿

高床式の宝物館。

そして日本三大縁切り神社のうちの一社と言われる門田稲荷。

石の鳥居の奥に朱色の鳥居が続くお稲荷さんワールド。

インスタ映えしそうな鳥居をくぐり、

このお社が門田稲荷様。社内神社の稲荷神社としては格段に大きいお社。

左右の灯籠は2011年に来たときは地震で倒れたままだったが、さすがに今は復元してある。

願掛けが成就して信徒から収められたお稲荷さん。

振り返ると冬の長い影が伸びて不思議な空間。

足利ひめたまは、二柱の女神様が「良縁を結び、悪縁を切る」という組み合わせになっている。

縁というのはそれ自体はいいものと悪いもののどちらもあるから、積極的に良縁を結び、同じぐらい積極的に悪縁を切るようにしないと人生大変になるばかり。

ここで「縁」てなんだろう、とふと思って調べてみると、仏教用語で「因」と「果」の間にあるものだという。原因と結果は間に「縁」があることで複雑な関係となっている。原因が同じでも「縁」が違えば結果は異なり、結果が同じでも「縁」が違えば原因は違う。

簡単に書くと;

因→縁→果

これをもっと今風の表現にするとこうなる。

input→system→output

数学的に表現すればこう書ける。

y=f(x)

縁の概念はシステムや関数が近いのではないかと、理系の者としては考えている。

仏教の概念は日本人の心に広く伝わっているため、「親の因果が子に報い」といった表現があったりする。仏教の基本的な考え方自体が、生きている時に徳を積みよりよい来世を目指す、というもので、「功徳を積むといいことがある」という考え方は間違ってはいない。

一方、間違っている、というか正しいとは限らない考え方は、「結果が悪いのは悪業のせいだ」というもの。

仏教なんて昔のものでしょう、という声もあるかもしれないけれど、twitterで「おかしな人を見ても、前世が動物か虫で人間に転生したばかり、と考えれば気分が楽になる」といった発言がバズったことがある。

論理学では命題が真のとき、対偶も真だが、逆は真ではない。

「因→縁→果」で言えば、「果」だけ見ても「縁」が理解できていなければ「因」を断定することはできない。

そして、縁が人間に理解可能かというと、そうでない場合の方が多いように思う。例えばy=f(x)とあるとき、関数がEXCELシートで「=RND()」になっていたらyからxを辿ることはできない。

とここまで考えて、どうも「縁」を仏教側からアプローチすると、「縁結び」や「縁切り」にうまくたどり着けないことに気がついた。

それは「縁」を「えん」と音読みするから違う方向に行ってしまったので、これを「ゆかり」と訓読みすると、一発ですっきりする。

大和言葉の「ゆかり」に昔の人が意味が合う漢字として「縁」を当てた。だから、「縁(えん)」には、日本人にとって「ゆかり」と、システムや関数のような仏教的な意味での「縁」と、2つの意味が重なり合っている。

良いものとのゆかりを多くし、悪いものとのゆかりを切る。それにより人生に係るシステム(縁)をよりよくしてゆく。そういうことが大事なのかな、などと思う。

産業にしても、今や、物を製造することと同じか、またはそれ以上に、物を正しく廃棄することも重要になっている。リデュース・リユース・リサイクル(3R)と言われるように、産業にともない生じる不要物をどうするかは、社会の持続可能な発展のために非常に重要な要素。

この日の足利市のドライブで、無事二社の御朱印を見開きでいただくことができた。

門田稲荷の御朱印はないので、下野國一社八幡宮がたまちゃんの御朱印

思いつきで出かけた日帰り旅だったけど、縁結びと縁切りは等価ということを改めて考える機会になった。