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殺戮の天使二次創作2022

『殺戮の天使』の話題ついでに、この絵の制作過程を少し語ってみる。

Clip Studio Paintの機能を使ってタイムラプスを保存し、メイキング動画を作った。

www.youtube.com

制作サイズは2400x3600画素。300DPIでほぼA4。真方形ではなく2:3なのは写真のフォーマットに慣れてるから。

お盆休み中にネタを思いついてクロッキー帳にぱぱっとメモしておいた。それを見ながら液タブで作業開始。

まずは太さ30の鉛筆ツールと消しゴムでラフ。線を沢山引いて、見えてきた形を残して消しゴムで消す。描くことと消すことは等価。どんどん描いてどんどん消す。絵の中で人体がどうなっているのかを把握できるまでひたすらやる。

ラフがある程度進んだら色を薄くし、新しいレイヤーを重ねてそちらに次のラフを描く。それを何回か繰り返す。

途中段階でぱぱっと色をつけて色ラフにする。彩色のコンセプトはここで大まかに決めておく。色を塗らないと分からない形もあるので、線画で煮詰まったら色をつけてみるのもお薦め。

自分で同じポーズをしてみて左の膝が絵の通りにはならないのを確認し、膝の位置を修正。左脚がぐっと前に出てきた。

それから構図に動きが不足していたので若干回転させた。左上-右下の対角線を軸に重要なものを配置する構図がこれで決まった。

ラフの最終段階は太さ8の鉛筆ツールで、本番の線画だと思って描き込む。本番の線画と思いつつもラフなので気になるところはどんどん消して修正する。

線の細いラフができてから、本番用のレイヤー設計をして、人物用の線画レイヤーに線画を清書する。レイヤーは人物、衣装、髪の毛で分ける。レイヤーを間違えないようにレイヤーにクリスタの機能で色を割り振っている。割り振りを解除すると黒になる。今回二人いるのでザックは別レイヤーで書いてる。

線画ができてからレイヤーごとに色を塗っていく。右の靴底を少し直して足首の曲がり具合を調整。

背景を描き込んで、レイヤー分けした塗分けに対し色調整。背景を先行するのはそうしないと色のゴールが分からないため。全体の配色が掴めてきたら主題と背景を順番に描き込んでいく。

そして人物の影つけ。右下の羽毛はラフの上にレイヤーを重ねて、丁寧に形をイメージしてシルエットで描いていく。それからそのレイヤーにクリップしたレイヤーで陰影をつける。物が小さいのでこれでそれっぽくなる。線画の工程がない分時短できるので、特に背景では「シルエット→陰影」というやり方を推奨。

完成までもう一歩。

レイチェルが明るい配色なので、グロー効果のフィルター処理を実施。

そして完成したのがこちら。制作サイズを公開中。

www.pixiv.net

作業中に100%に拡大するのは稀なので、等倍で見ると粗が目立ちますが、誰かの参考になればと思い等倍で公開しています。

4年前と違い板タブから液タブに変えました。クリスタではスマホを左手ツールとして使えるので助かりました。