Great Spangled Weblog

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殺戮の天使の主要キャラ

イラストを描いていて自分の中で再評価することになった『殺戮の天使』。それではと原作ゲームもやって昨日クリアした。

www.gamemaga.jp

上記が原作ゲームの公式サイト。PCでやる分には無料で可能。ニンテンドーSWSITCH版やスマホ版は有料だけどそんなに高いわけではない。

play.google.com

PCの前で延々ゲームできる身分ではないので、Android版をDLして電車などでポチポチやってた。ゲームと言っても分岐してマルチエンドになるわけではなく、1本のストーリーを鑑賞する作り。

私がこの作品を高く評価するのは、アメリカを舞台にして、かの地のキリスト教に向き合って作られているということと、各所にちりばめられたサブカル的アイテムの多さ。

この作品の評価記事を書くなら、これらの2つの面からアプローチする必要がある。少なくとも、自分はそうしなければならないと考えている。作品のテーマに関連した話はキリスト教に触れないといけないので、今はまだ原稿を温めているところ。一方、サブカルネタはすぐに話せる。その一つがキャラクターの名前。

レイチェル・ガードナー

Pixivの百科事典などを見ると、本作の主要キャラのファーストネーム旧約聖書から持って来ているとある。レイチェルの元はヤコブの妻であるラケル

ja.wikipedia.org

名前の意味は子羊、雌羊、純粋なもの。

https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB

ということで、信心深い純真な乙女にふさわしい名前となる。

もっとも、1980年代の映画の世界を知っていると、「レイチェル」と聞けば思い出すのは『ブレードランナー』のタイレル社のアンドロイド。演じるのはショーン・ヤング。映画はP.K.ディックの原作を大幅に改変しているが、レイチェルは原作にも出る。

これらのレイチェルは名前の通り純真キャラではないので、アニメのレイチェルは予想の範囲内。

姓の「ガードナー」は庭師という意味だが、ここで止まってしまったら惜しい。我々1990年代から疑似科学を観察してきた人間には、疑似科学批判の基礎となる『奇妙な論理』の著者のマーチン・ガードナーの名前を思い出さずにいられない。

レイチェルが「頭がいい」という設定なのは作者がこの本の著者をイメージして設定しているからで間違いないだろう。

アイザック・フォスター

アイザック旧約聖書のイサク。アブラハムとサラの息子。

ja.wikipedia.org

フォスターは、伝説的なアメリカの女優、ジョディ・フォスターからとったと見て間違いない。

タクシードライバー』で12歳の娼婦役を演じた金髪少女。同じ時期には『白い家の少女』も演じている。この頃の彼女のイメージはレイチェルにかなり近い。

そして、この作品に名前を持ってくるにふさわしい映画といえば、『羊たちの沈黙』。1991年の大人のジョディ・フォスターが幼少期のトラウマを抱えつつ殺人鬼に挑む。

レイチェルとバディであるからこそ、フォスターの名前を持ってきたと考えざるを得ない。

エディ

主要キャラ全員に言及している時間はないので、もう一人、エディについて。

B4の墓守でかつ殺人鬼。覆面の中身は少年。

エドワードの名前が旧約聖書由来かどうかはともかく、墓守というキャラからいって元ネタはエド・ゲインであろう。

ja.wikipedia.org

羊たちの沈黙』の殺人鬼のモデルでもある。その他いろいろな作品に影響を与えている。

こういった具合に様々な要素がちりばめられていて、そういうネタが好きな人は心を揺さぶられつづける。

www.youtube.com

そういう話を抜きにしてもPV第2弾はよくできていて作品をよく表している。テレビ放送時と違い全16話は分かり切っているので、12話で切られてがっかりすることもない。原作をやってもいいし、アニメから見てもいい。もっと多く知られるべき作品だと思う。