昆虫の誕生

昆虫の誕生―一千万種への進化と分化 (中公新書)

昆虫の誕生―一千万種への進化と分化 (中公新書)

昆虫の系統進化に着目して、現生するすべての目を整理し、各々について平易に解説する本。昆虫という非常に繁栄した生き物のグループについて大まかに全体像をつかむことができる。

記述は、おおむね原始的な目から高等な目への順で並んでいる。最初の方は翅がなく変態もしない。それどころか、内顎綱として狭義の昆虫(昆虫網)とは別に分類される。

昆虫の進化で最も画期的だったのは、翅の獲得だろう。翅がなければはたして今日の昆虫の繁栄がかなったかは疑わしい。本書で挙げている昆虫の目も、翅をもったものの方が圧倒的に多い。しかし、翅の進化については化石も乏しく、謎の部分が多いようである。翅の獲得がどのようなものだったか、推測でも書いてあるかと思ったがそれはなかった。

高等な昆虫として最後にチョウ目が挙げられている。花の蜜を吸うのに特化した口吻は、被子植物の出現により進化したものであろう。おおかたの目が古生代には出現しているなか、チョウ目が栄えるのは比較的新しい時代であるといえる。