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オートモービルカウンシル2024

2021年に行ったオートモービル・カウンシル。毎年やっていることに気付いて、今年3年ぶりに行ってきた。

automobile-council.com

前回は新型コロナの流行でイベントがあれもこれも中止になる中の開催だったので人が少なかった。今年は続々イベントが再開される中での実施。土曜日の午前中だと人出はこんな感じだった。

自動車関係では以前は東京モーターショーが最大規模のイベントだったが、ああいった大量生産・大量消費を前提にした高度経済成長モデルのイベントは今の時代合わないのかな、と思った。こちらのイベントは基本的にはビンテージカーの展示・販売とクルマ好きが集まってアートの展示や飲食の販売を行うイベント。今まで培った自動車文化からよいものを残していこうという試みだと思う。

従前のクラシックカーイベントと違うのは、こういう80年代の日本車なんかもスーパーカーとか他の外車と同列に展示しているところ。写真はマーチスーパーターボ。埃をかぶったままというのが何かストーリーを秘めていそうでよい。

デ・トマソ・パンテーラGT4

6台だけ作られたパンテーラのレース用ホモロゲーションモデル。

シンプルなエンジンルームもいかにもレース向け。エンジンは座席の方にぐっと突っ込んで配置してあり、その後ろのデフとドライブシャフト、そしてその後ろにトランスミッションが出っ張っている。エンジンを重心位置に置く走り重視のレイアウト。

VWゴルフ50周年の展示。初代ゴルフは今見るとBセグメントコンパクトカーのサイズ。

ボディの前後が絞り込まれてぐっと丸くなった2台目のGTI。

その後大きく、重くなっていくが、デザインはやはり国産車とは一味違い存在感がある。個人的に好きなのはこのCピラー。前後の分割線が>>と平行に蛇行しているのがおもしろい。こんなパネルの面に目線を持っていくデザインはほかにはそうそうない。

オースチン・ヒーレー・スプライト。

アルピーヌ・A110。ミサトさんのクルマでよく知られる。

リアには直4のエンジンが収まっている。トラクションがいいのでモンテカルロラリーをブイブイ言わせていた。

アルファロメオ・ジュリア。

フェラーリ365GT4BB。レアな英国向け右ハンドル車。

S30ZやGC10に混じってR31スカイラインGTS-R。

フィアット500。リアにエンジンが縦置きなのを確認した。

フェラーリテスタロッサ

ギャランVR-4のラリー車。

バブル期に三菱は突然インパクトのあるデザインのクルマを次々売り出した。VR-4はラリーで勝つためのクルマで、後により小さいランサーがWRCで活躍する。

ランチア・デルタHFインテグラーレ。ベースのデルタが5ドアハッチバックの大衆車なのにやたらとかっこよく、HFインテグラーレはさらにかっこよくなっている。

アイルトン・セナの追悼コーナー。写真はマクラーレンMP4/6。

セナのヘルメット。

先日亡くなったガンディーニの追悼コーナー。エスパーダ、ミウラ、カウンタックストラトス、ディノ308の5台が展示されて注目を集めていた。

写真はミウラ。4LのV12エンジンをミッドマウントしたエキゾチックカー。市販車で大排気量のエンジンをミッドシップにしたクルマはこれが初で、スーパーカーの時代がここから始まったと言っていい。

ガンディーニの代表作、カウンタック。日本のスーパーカーブームはこのクルマなしには語れない。

割り切った後方視界。4LのV12エンジンを縦置きにして、ミウラより前方に配置。エンジンから前にトランスミッションを出して、プロペラシャフトで動力を後輪に伝える独特のレイアウト。ホイールベースを過度に長くしないためドライバーは極端に前に位置し、ドアヒンジが置けないため独自のシザースドアになった。なお、このレイアウトのおかげで最後尾にそこそこ使えるトランクがある。

ランチアストラトス。ラリー車として極端に短いホイールベースに仕上げたクルマ。実際に活躍した。

5台のクルマを横から。

隣は日産のブース。ヘリテージカーとしてP10プリメーラ、S13シルビア、フィガロ。新車として現行のE13ノートが展示されていた。

S13シルビア。プリメーラともどもバブル期の日産の優れたデザインのクルマ。

マツダのブースにはRX500が展示されていた。

2ローターのヴァンケルエンジンはミッドマウント。コンパクトなのでレイアウト上の無理は全くない。

貴重な右ハンドルのフェラーリ365GT4BBがもう一台。180°V12のエンジンをミッドマウントしているが、最後のシリンダーは後車軸より後ろにある。エンジンブロックは位置が高く、その下にトランスミッションが置いてあってリアオーバーハングには飛び出していない。重心がだいぶ後ろに行くしエンジンの重心も高く、その上リアサスのレイアウトも苦しいが、フェラーリのブランドと流麗なデザインで許されてしまうクルマ。どのみちこういうクルマはワインディングをストックに攻めるクルマではない。

アメ車コーナー。写真はシボレー・コルベットの2台目。リアウィンドウが左右分割だったり際立って個性的なデザイン。レトロフューチャーっぽくかっこいい。

昭和の小学生を虜にしたスーパーカーは、改めてふり返ると技術的にいろいろと興味深い。しかし、本や動画であれこれ語っても細かいところまでなかなか分からない。実写を見る機会はとても貴重。たとえ所有して乗り回すことができなくても、間直に隅々まで見ることができれば得るものは大きい。

なので、来年以降も可能な限りまた来たい。