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日本酒

日本酒 (岩波新書)

日本酒 (岩波新書)

岩波新書で出ている日本酒の本。

読んでいてメモしたところ。

「日本酒度」は、糖分の濃さを酒の比重として現した指標で、マイナスの値は比重が重く糖分が多いため甘口に、プラスの値は比重が軽く糖分が少ないため辛口になる。

「山廃」とは、酒母造りにおいて「山卸」の作業を廃した近代的な製法のこと。ただ、今日の日本酒に表示してある「山廃」の意味するところは、乳酸を加えるなどして効率的に酒母を造る速醸酛の手法ではなく、より伝統的な手法で造っていることを意味すると思われる。

今日日本酒というと清酒のことだが、いつから「どぶろく」を濾過して清酒を飲むようになったかというと、豊臣秀吉の時代からとのこと。また、火入れに関しては1568年に記述があるという。江戸時代には既に清酒があったことになりその歴史は相応に古い。例えば芋焼酎や樽で熟成するウイスキーよりも古い。

アルコール添加。醪にアルコールを白米重量の10%以内で加えると、香りの成分、アミノ酸、有機酸、ミネラルなどは変わらず、鉄、銅、加熱着色成分は半減するという。アルコール添加は江戸時代から行われている伝統的な手法で、当時は焼酎(柱焼酎)を加えていた。なお、アルコールを添加しない純米酒は味が濃いという。

日本酒の産地と味の傾向。瀬戸内海沿岸では甘口であり、新潟、富山、高知は辛口の傾向があるという。また、硬水(宮水)の得られる灘は辛口、軟水の伏見は甘口だという。