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平成16年新潟県中越地震

読売新聞10:39の記事で死者15人,行方不明2人,負傷者1038人以上とのこと.

家屋や道路が複数土砂崩れにあっており,犠牲者はまだ増える可能性がある.

被害にあわれた皆様にはお見舞い申し上げます.

埼玉県北部でも震度4〜5-.はっきり分かる縦揺れの後小さい横揺れ,続いて大きい横揺れ.ちょうどPCに向かっていたのでPCラックの上やキーボードの横に積んでいたものがドサドサ崩れてきた.

地震波はP波とS波に別れていて,P波の方が進むのが速い.P波とS波の到達時間に差がある場合は震源が遠くにある.このため;

  • 縦揺れをはっきり感じる
  • 縦揺れと横揺れの時間差があり,しかも横揺れの規模が大きい

という場合は,遠くで大規模な地震が起きた可能性がある.

少々血の気が引く思いでTVをつけると,中越地方で震度6+の表示.相当の災害だということをここで認識した.しかし怪我人が1000人規模とまでは思わなかった.

そもそも縦揺れをはっきり感じるときは地震の規模が大きいので油断はできない.ところがわが家は結局ガスの火も消せなかった.災害に対し実質何も備えができていないという反省事項.

その後も余震が次々と到達.頭には入っていたつもりだったのに,震災では余震が無視できないということをようやく実感した.現地ではさぞ生きた心地がしないのではなかろうかと思った.

地震の規模は本震がM6.8ということで,1995年兵庫県南部地震のM7.3に対し0.5の違い.エネルギーとして1/5程度.本震と同等の揺れの余震が3〜4回あったことも考えるといわば阪神大震災に比べてやや小さいぐらいの地震と考えられる.倍半分の違いはあっても桁が違うというものではない.

家屋やインフラに被害が出るのはやむを得ない規模の地震だが,特にインフラは損傷しながらも最低限の機能を維持しなければならないと強く感じた.

土砂崩れ,盛土の崩壊,橋の損傷が多数生じて,道路の機能が大きく削がれている.これは住民の避難や災害救助に大きく障害になっているようだ.特に山古志村は道路が寸断されて孤立していると聞く.地図を見ると外に通じる道は4本しかない.山間部で災害時に道路の機能をいかに失わないようにするかは重要な課題と言える.特に土砂災害が怖い.

今回地震の時間が夕方だったため,夜の間ヘリコプターによる救助もままならなかったと想像される.ヘリコプターには夜間でも安全に飛行・救助できる装備をもっと充実させる必要がある.

新幹線は初めて乗客を乗せた状態で脱線したと伝えられた.兵庫県南部地震の時は始発前だったので,これは今までが運がよかったというだけのことだろう.地震ではないが,脱線事故も起こしたことがないわけではない(例えば柳田邦男:『新幹線事故』).震度6クラスの地震に見舞われたらまた同様のことはあると覚悟した方がよさそうだ.もっとも,JRとしても色々対策を進めているので,東海地震では被害が出ないよう望みたいところ.

追記:今日の『報道特集』によると新幹線はユレダスが今回作動したとのこと.震源距離が約30kmと近く,P波とS波の時間差がほとんどなく,充分に減速できなかったという.震源が一般に遠い海洋型地震ではよりよく動作すると思われるが,内陸直下型地震の対策は当面の課題だろう.