- 作者: やっぱり勝てない?制作委員会
- 出版社/メーカー: シミュレーションジャーナル
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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『「分かりやすい文章」の技術』(ISBN:4062574438)では、第5章にて「読み手を同意させる「説得の技術」」についてポイントを以下のように挙げている(P.85-86)。
- 正確な論理で書く
- 読み手の視点で書く
- 自分の感情は抑えて書く
- 比喩を使う
このうち「正確な論理で書く」については「二つの弱点」があるので気をつけるべしという。「二つの弱点」とは、「A→B」という主張を相手に受け入れさせるにあたり(P.87);
- Aが真実であるかどうか疑わしい
- 「AだからBだ」という「→」(因果関係)が真実であるか疑わしい
だいたい政治的なアジ文がいかがわしく感じられるのは、この辺に理由が求められるだろう。
- 論理が正確でない(Aが真実か疑わしい上に因果関係も強引(大抵結論が先にある))
- 感情があらわになっている
逆に、多少耳が痛い論説でも、『「分かりやすい文章」の技術』第5章のポイントを抑えてあると素直に読めることが多いのではないだろうか。
ということで本書。耳が痛い。自分にとっていつも誇らしい大日本帝国海軍が実はかなり弱かったのではないか、というのが本書の論考。
それでも読んでいて非常に強く興味を惹かれ、一気に読んでしまった。論理の正確さは不勉強なのでどの程度か分からないが、丁寧に説明しようという努力は大きい。そして、感情もかなり抑えて書かれている。
特に自分としては、このあたりの事項が印象に残った。また、漫画も笑った。
先の大戦から多くの教訓を得られるのは、政治的なアジ文ではなく、やはり、こういった冷静な論考なのだろうと思う。