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凪のあすから第3話

凪のあすから』第三話「海のいいつたえ」

ストーリー

あかりは地上の男との交際が発覚し、うろこ様からあきらめるよう説得される。物分りよくあきらめて笑う姉の顔にとまどう光。

この件について相談しようと廃校になった波中に移動する4人。学校はぬくみ雪が積もって荒廃している。男子2人は相手と直談判してろくでもない奴なら殴るといきまく。女子2人は、腹が赤いウミウシがいたのでウミウシの言い伝えを話す。それから紡の話。

翌日。男に会いに行く4人。男が車で出かけた先を追うと木原家に着いた。男と話してみると、あかりが海村を追放されることを知らなかった。掟のことはなぜか紡が詳しく、説明役を買って出た。海と陸の人間の子供は胞衣を持たず、海に戻れないという。

男のふがいなさに憤った光は殴りかかった。それを諌めた紡の祖父に胞衣が。彼は海の人だった。自身が海村から追放された存在。

姉の問題はまだ解決していないが、波中の4人と紡はこれにより関係が深まった。まなかも呪いが解けたことを正直に告白。

放課後、おじょし様作りに励む5人。ラーメンをおごってあげようと提案する先生だが、ここで紡が皆に見せたいものがあるという。学校裏の坂を上るとそこには…

視聴コメント

  • ぬくみ雪はマリンスノー的なもの???
  • 「ちさき、男の趣味悪いな」www
  • キャラ的に男で苦労しそうではある
  • というか報われない二番手ヒロインに見える(巨乳だし)
  • 姉が母の死以来の号泣とか見ていてきつすぎる
  • あえて海の掟を破ろうとする女達の姿に、現状から先に進もうという意思を察する光
  • 逆上した光を投げでしとめるジジイかっこいい(イケメンは遺伝)
  • 海村へのあこがれが強い紡
  • 光も紡がいい奴だと納得せざるを得ない
  • 「ツムグ」、「ヒカリ」と男子が名前で呼び合う仲に
  • まなか「名前で呼び合うのはエッチだ」その言いまわしやめろw
  • 学校(うち)、池あるんだけど、濡れてかない?
  • 小学生2人のうち地味子の方のとんでもない秘密が明らかに

解説

まさかの昼ドラ展開。そうだよ、マリー先生、これだよ!

海の人と陸の人のハーフは胞衣を失ってしまう、ということがこの回で語られる。胞衣は劣性遺伝だった。なぜ紡がそれを知っているのかは祖父の胞衣の輝きが一瞬で説明。

神話によると、陸の人間は胞衣を脱ぎ捨てて陸に適応したという。最初のおじょし様は陸で人々が苦難に直面したとき、神を鎮めるために海に捧げられた。その子孫が海の人だと考えられているとは1話で光のナレーション。

胞衣がないのに海神のもとに生きてたどり着いたとか、海の人が海神の子孫なら最初に陸に上がった人間は誰の子孫なのか? など、この作品世界の神話はよくよく考えるとつじつまが合わない。これは私が何か勘違いしているのでなければ、わざとそういう話にして「言い伝え」っぽく、また、洗練されていない土着宗教っぽくしてるのかもしれない。

別の解釈として、人間は陸で進化した。おじょし様を生贄に捧げたところ、海神様が胞衣を授けて嫁に取った。したがってその子孫は胞衣を持ち海で暮らしている。と改変するとすっきりする。海の人の方が圧倒的なマイノリティであることが後々分かるので、案外本当の設定はこっちかもしれない。

何しろ元の神話では陸の人は旱魃やらなにやらで相当苦しい思いをしていることになっているのだけど、事実として発展しているのは陸の人だから、海の人の気持ちを納得させるために神話が構築されているという解釈もできる。

アニメの企画は短くても2年以上は前から動くから、これぐらいの設定の作りこみは余裕だろう。

話変わって。

毎回、ラストシーンにギターが入ってEDに入る流れがいい。

しかもその歌詞が、作品世界と絶妙にリンクしている。「デトリタス」という単語はセリフにもあって、それどころか24話のサブタイトルにもなっている。

これは推測だけど、やなぎなぎさんは脚本を十分読み込んでからこの詞を書いたのではないかと思う。最初はEDがいい曲なので後半の展開に取り込んだのでは、とも思ったが、脚本の方がアニメの放送よりかなり早くできていないとまずいものなので、やはり脚本→歌詞だと思う。

EDのタイトルの「アクアテラリウム」は水槽の中に陸上部分も設けた生き物の飼育形態。アクアが水環境でテラが陸上環境。これらを一体としたもので、陸の世界と海の世界の交流を描いたこの作品世界を象徴するかのような言葉。そして「有限の水槽」でもある。その閉塞感に関する物悲しい気持ちも描写されている。

全般に、この作品はテーマ曲が作品世界をとてもよく反映している。世間ではタイアップしたレコード会社が推しているアーティストのできあいの曲を持ってくるケースもあるが、この作品では歌の作者とも十分なやりとりをして歌と作品世界との融合を図っている。

Rayもやなぎなぎジェネオン・ユニバーサル所属なので、レコード会社など関係なしの人選ということはない。とはいえ、彼女達の起用は成功であることに疑いはない。