- 作者: 藤尾潔
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1997/08
- メディア: 単行本
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最近は本代節約のために、昔買って読み切ってなかった本を読むようにしている。そのうちの一冊。1997年の初版なので、買ってから10年以上放っておいたことになる。
ようやく今になって読み切った。震災から13年、やっと笑い話を受け入れる余裕ができたということだろうか。自分自身被災者ではないのだが、本を買った当時はなんか読むのに抵抗があった。
兵庫県南部地震の時にできた笑い話を色々集めた本。神戸出身の著者が被災地をまわって蒐集したもの。なお、笑える話というのが第一で、話の真偽はひとまずおいてある。
たとえばこんな話が載っているが(P.132-133)、
【ファイナルファンタジーばあさん】
救援物資が、贈った人の予想をもはるかに超えて大活躍した例も。
『西神第七仮設』では、外は何もない原っぱ、近隣との交流もほとんどなし、三宮など街の中心地に行くには片道二千円近くかかるため行けず、と、年金でつつましく暮らす独居老人はすることがなく、ヒマと孤独をもてあましていた。
おかげで、それまでさわったこともなかったのに、ボランティアが持ってきた救援物資の中古ファミコンで突如ゲームに開眼、左手親指にファミコンだこをつくりながら、一年でファイナルファンタジーIからIIIまでクリアーした大正生まれの老女がいた。
真偽についてはこの本では何も語っていない。
Karala Jennings:『笑うコンピューター』(ISBN:4874084583)の震災版と言えるだろう。