『プラスティック・メモリーズ』#08「知らない花火」
ストーリー
ミラベルの回収。オーナーの老婦人はOSの入れ替えを希望。以前にもそうしたという。「魂を入れ替えても、私はずっと同じ子だと思って接しているのよ」。
会社に戻って相談してみると、誰に聞いてもOSを入れ替えたら今の人格や記憶は消えてしまい二度と戻らないという。
第3TSのマークスマンが来る。回収対象と所有者が逃走、第1TSの管轄に潜入したとのこと。来たのはギフティアのアンディ一人だった。彼女を見かけたエルが「オリビア!」と叫んで抱きつく。エルが以前親しくしていたギフティアだという。しかしアンディにその記憶はない。エルはオリビアが回収されOSを入れ替えられたのだと悟る。
逃走したオーナーとギフティアの回収はアンディと第1TSの協力で完了。他のTSの淡々とした仕事の進め方を見るツカサ。第1TSのやり方は3年前にカヅキが始めたもので他とは違う。
アンディと親しくなったエルは彼女から、オリビアとよく行った祭りに一緒に行こうと誘われる。思い出の場所に二人だけで行くのはきついのでツカサにも同行を頼む。話を聞いてアイラもついて来るとなり四人で祭りへ。
祭りを楽しんでいるアンディを見ながら話すエルとツカサ。OSを入れ替えた場合に人格や記憶が戻ることは絶対にないと実感する。
花火が上がる。アイラがいないことに気づくツカサ。エルを置いて探しに走る。やがて、花火の音におびえてうずくまっているアイラを見つける。ごめんと謝り手を取る。爆音。次々と散る花火。
寿命が残り少ない自分が、ツカサを苦しめているのかと問うアイラ。たまらず抱きしめる。「苦しくて苦しくて胸が張り裂けそうだ!」。そして…
視聴コメント
- セーラー服のメガネ少女のギフティアとかマニアックすぎる
- OPなし
- 「エラー、よく聞き取れませんでした」が久しぶりに
- いつの間にかアイラの新しい私服
- デートの時と違って気負わない服(かわいい)
- Bパートもまたエラーw
- 江ノ島的なところでお祭り
- オリビアが絶対飲めなかったくらげジュースを美味しそうに飲むアンディ
- これは精神的にきつい
- オリビアにもう会えないと分かって、前に進もうとするエルさん
- アイラがいないことに今頃気づくのかよw
- 神タイミングでED曲
- 歌詞がこの状況そのまま
- さすが脚本家の作詞
- そして告白からのOP
- なんという神展開
- OPラストのアイラちゃんは瞬きしてツカサを見つめる
- Cパートwww
解説
8話のテーマは記憶。消した記憶は二度と戻らない、という話。あと花火。
見た目はそのままなのに、人格が変わっている、というエルの恐怖はなんとなく分かる。ちょっと親しくなれそうかも、と思った人が、何かのきっかけに突然別人のように、とか。あるいは身近な人が病気か何かで別の人のように変わってしまうとか。
追記:『一週間フレンズ。』の1話を見るとそれを擬似体験できる。
この話では、中身が完全に別人になっていて元に戻る可能性もないので、事実上オリビアと死別だからエルさんもきついだろう。
それでもアンディが親しくしてくるようになったら、できるだけ付き合ってあげようとするエルさん。新しい思い出を作らないとオリビアにもアンディにも失礼だ、それに思い出を作るのは今しかない、とか言って、オリビアとの別れを乗り越えて前に進もうとしている。
普段アレなのに稀に見せる技術者らしい誠実さ。誠実さがいかに人に大切な資質かはそれなりに長く生きてみて実感している。
8話は、アイラがもしOS入れ替えで肉体だけでも生きながらえることができたとしたらどうか、に対する回答。記憶が蘇るかもしれない、という視聴者の希望が徹底的に否定される。ついでに逃亡したらつかまることも念押し。そして肉体的にも限界なのは6話の会話であった通り。
ところで、作品としては、人格や記憶が魂で、それらが変わると肉体は同じでも別の人になる、という見解のように1回見ると感じられる。
何度も見直すうちにちょっと見方が変わってきた。アンディがエルに親しくしてくるのが奇妙だ。肉体を受け継いでいる以上、オリビアとアンディはまったく別の人と考えるのは単純すぎる、という意図もあるのかもしれない。
第3TSの回収のやり方だけど、ここでの描写だけではそんなにひどいようには見えない。どう見ても逃げた所有者に落ち度がある。
回収は法律で決められているので相当の強制力があるはず。最悪の場合はRセキュリティ社の人が自動小銃を持ってやってくる。法執行機関の介入もあるかもしれない。またはR社自体がそれの民営化されたものという可能性も。
ただ、1話から推測するに、所有者が回収を拒否するケースでは、先にギフティアが観念して所有者を説得して解決、となることが多いのかもしれない。8話もそういう想像の余地がある。
ところでアンディ。これは小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の中でのアンドロイドの呼び方。男の名前をわざわざ女性のアンドロイドにつけたのは、どう考えてもこの小説を意識したものだろう。アンディが僕っ娘になっているのも名前のせい。
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