星の島のるるちゃん

星の島のるるちゃん1 (ハヤカワJA)

星の島のるるちゃん1 (ハヤカワJA)

星の島のるるちゃん2 (ハヤカワ文庫JA)

星の島のるるちゃん2 (ハヤカワ文庫JA)

『チカチカ☆ミミちゃん』(ISBN:4257900873)と区別がつかなかったのだが読んでみて全然違う作品だと分かった。

『るるちゃん』は『なかよし』の1993年4月号〜1994年8月号に連載されていた漫画(+『るんるん』1994年11月号、+ハヤカワから文庫化にあたり描き下ろし24ページ!!!)。

『なかよし』で『ねんねこ姫』(ISBN:4150308012)を読んだ時あまりに違和感なく雑誌に収まっているので不思議に思った。文庫をまとめて読んでなおさら思う。これはファンタジーとしてあまりに洗練されている。

その謎はこれで解けた。こちらはSF系のネタをこれでもかと詰め込んである。その方面のネタはこちらでやり尽くしたので、『ねんねこ姫』をあれだけピュアなものにできたのだろう。

逆に、『なかよし』の連載としてどうか、というネタがこちらは多いわけだが。

例えば1巻のP.87;

この中に入っている常温超伝導体で作ったコイルには永久電流が流れていて
このスイッチで抵抗をかけてやるとジュール熱が発生します!!
その熱をつかってごはんを作るわけです

というセリフにまったくフォローがない。今時(といっても10年以上前か)の『なかよし』読者は「ジュールレンジ」とかいったアイテムはお馴染みなのだろうか(ちなみに「超電導」でなく「超伝導」なところもポイントが高い)。

他に、舞台の星の島が、高度な科学技術に裏打ちされた高度管理社会だというのも見逃せない。その一歩間違えるとすごいディストピアになりかねないところでてきと〜にくらしてる人々がいい。この辺の世界観の作り込み具合とバランス感覚は『ゼリービーンズ』から殆ど変わらなくてうれしい。

男の子のキャラの名前も新野郎太(ニーノ・ロータ)で、作曲家から(実は私はよく知らない)とっている。

その割に後半のヒロインは名前がパピルスモロヘーヤヒエログリフというミもフタもないものだというのはひとまず置こう。

メジャーな雑誌の連載なのにこの作品は、ふくやま先生のワイルドな部分が大幅に残っていて大いに堪能できた。文庫化してくれた早川書房に大変感謝。