4月20日の三鷹・調布の研究施設一般公開のうち、JAXAの公開のレポート。
YS-11の機首。操縦席が公開されていた。
1m×1m超音速風洞。写真は除き窓。ここを音速の4倍の速度の空気が吹きぬけることができる。
超音速風洞の風洞模型。手で押すと奥のPCに荷重が表示される。そんな形で風洞実験の仕組みを解説していた。
超音速風洞の屋外の施設。この丸いタンクに約20気圧の空気を溜め込み、一気に放出して超音速の風を作る。
2m×2m遷音速風洞と標準模型。標準模型については写真の解説の通り。
今回初公開となるDAHWIN(デジタル/アナログ・ハイブリッド風洞)。のデジタル部分のワークステーションの展示ということになるか(後で調べたらモニタリングPCとのこと)。アナログ部分は先の2m×2m遷音速風洞が担当する。詳しくはよく分からないけど、数値解析の関数の一部を演算でなく風洞実験が担う、というようなものだろうか。
などと思っていたら想像以上に高度な解析と実験の融合だった。あと超音速風洞も使うらしいし、コンピューターはこの研究所にあるスパコンを使う。
http://stage.tksc.jaxa.jp/jxithp/project/13.html
世界最小級のターボファンエンジン。中央の赤いのがそれ。カットモデルを見たら2軸式のジェットエンジンで、ファンと遠心式の圧縮機がそれぞれに1段ずつのタービンで駆動されるようになっていた。
60cm×60cm磁力支持風洞。磁力で模型を浮かせることで支持部の空力的干渉をなくした風洞。まだあまり高速の風には対応していない。
宇宙往還機の試験機。オーストラリアで実験した際、パラシュートが開かなくて破損したとのこと。
FJR710ターボファンエンジン。実験機「飛鳥」のエンジン。この国産エンジンは外国から注目され、日本のメーカーがV2500などのプロジェクトに参入するきっかけになった。
構想中の極超音速機はこんな形。
1.27m極超音速風洞。マッハ5以上の気流を作り出せるというすごい風洞。
翼の周りの空気の流れを可視化するため、解析結果を3Dプリンタで出力したもの。映像で立体的に見せるのは想定の範囲内だが、3Dプリンタで触れるようなものを出力するというのは驚いた。これなら確かに目に見えない空気の流れをよく把握できる。
そのほか、脚などの複雑な形状の部材の風洞模型を3Dプリンタで整形したりしていた。
この後調布飛行場に隣接している第2会場に行こうとしたが、バス待ちの行列が長く、バスも道路の混雑で普段10分のところを30分かかると言われ、入場できる時間に到着できない見込みとなったため、第1会場だけ見て帰ることにした。
日本の航空宇宙産業と宇宙開発を支える様々な実験施設や試験機、模型などをたくさん見ることができて面白かった。