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首都圏外郭放水路特別見学会

今日と明日は彩龍の川まつり・首都圏外郭放水路特別見学会・江戸川カッパ市 2013というイベントで、首都圏外郭放水路庄和排水機場の施設が公開される。

http://www.city.kasukabe.lg.jp/soumu-s/bousai-bouhan/bousai/event/sairyuu/01.html

本日それに行ってきた。

まずは地下の調圧水槽。各河川から地下水路を通って来た水を一度ここに貯め、ポンプにより江戸川に排出する。

中は噂通り壮大な構造物で、荘厳な雰囲気があった。特撮などのロケ地に使われるのも分かる。自分の頭の中では『喰霊-零-』のOP、「Paradise Lost」が連続再生されていた。

調圧水槽から江戸川に水を組み上げるためのポンプのインペラ。公開されるのは8年ぶりとのこと。

ガスタービンエンジンで駆動される4基のポンプは合計で毎秒200m3の水を排水できるとのこと。パンフレットによれば学校などにある25mプールの水を1秒で排出する能力だという。

調圧水槽上流側の立坑。この下の方にシールドトンネルがあって、流域の水を集めてここに運んでくる。

付属する展示施設、龍Q館。廊下の壁に特撮ロケの記録写真や訪れた有名人のサインが貼られていた。2005年には水樹奈々のPVが撮影されたという。

ただし、アニメの『喰霊-零-』はスルーされていた(´・ω・`)。

排水機場屋上より。このグラウンドの下ほぼ全部が調圧水槽。

ポンプ室を見学。これも8年ぶりに公開するとのこと。そして次回は未定。

奥の四角い箱がガスタービンエンジンの収納部で、中に航空機用ジェットエンジン、JT8Dを改造したものが収まっている。改造点は主にタービン。タービンから取り出された力は手前の容器に格納された減速歯車に伝えられ、この下のインペラを回転させる。

ものすごい強力なガスタービンエンジン、というイメージがあったので、予想より小さくて驚いたが、考えてみればC-1輸送機のエンジンと基本的に同じであるから、あのエンジンナセル程度の容器に収まるのは不思議ではない。

この施設はこれまでに84回稼働していて、実際にこの水域の水害を低減する効果を発揮したとのこと。

もともとこのあたりはカスリン台風の洪水が流れ下った地域なので、このような施設の存在は地域の水害だけでなく、東京の水害も防ぐことにもなる。

「コンクリートから人へ」というのはちょっと前までよく言われたフレーズであるが、コンクリートこそ人のためのものである、と土木施設への認識をちょっとだけ変えてくれてもいいのではないかと思う。