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館林市のまだあまり知られていない場所

宇宙よりも遠い場所』が放送から1年以上過ぎたが、話題が冷めないうちにまた館林市ツツジの季節が来る。

市役所前にはよりもいの横断幕が。

昨年末足利に行ったので、そのついでに館林市に寄った。

よりもいで注目されたつつじが岡公園の東屋や茂林寺は、館林市で最も有名な観光地のツートップ。

一方、まだあまり知られていない名所が館林市にはいくつもある。

この日寄ったのは保健福祉センター(旧館林市役所)と三角公園と館林カトリック教会。

まず保健福祉センター。

1963年竣工のRC建築。設計は菊竹清訓。当時としては進歩的なメタボリズム建築。

w-concept.jp

四隅に太い柱を立て、中間に使用空間を設け、それがカンチレバー式に外に張り出している。

館林市役所は後に神戸生絲の工場の跡地(=館林城の跡地)に移設されたが、旧市役所の建物も現在まだ使われている。

特に取り壊す予定は聞いていないが、こういった建築は思いついた時に撮影しておかないと、いつの間にかなくなっていたりする。

館林市の市街地であれば、キンカ堂がなくなるなど、実際になくなるまで考えもしなかった。板倉町にはコンクリート造の穀物サイロがあって、外周を階段が螺旋状に昇っていて車を運転しながらちらっと見ては気になっていた。撮影しようかと思ったらいつの間にか取り壊されてしまった。

ということがあったので、旧市役所を撮影するため超広角レンズを持って晴れの日に行ってみた。

メタボリズム建築は当時の流行で、『ウルトラマン』など見ているといくつもロケ地として出てくる。旧館林市役所はそういった建築の姿を現在に残す貴重な建物の一つになっている。

エントランスから橋を渡って建物に出入りする構造も特徴的で、その橋も上下の面が傾斜したデザインになっている。リンク先のブログによるとこの下にかつて池があったという。お堀で囲まれた城をイメージしたという話もそうなのだろうと思う。

北関東らしい冬の青空に伸びるRC建築。

続いて三角公園。大手門跡に造られた公園。道路に囲まれた三角形の土地にあるためこう呼ばれる。

昭和の中頃まで「日本は公園が少ない」と言われていた。館林市のような地方都市は郊外に豊かな自然があり、神社やお寺も多く、特に公園というのは必要でもなかったが、逆に、市街地の住民でない場合は、ここの遊具は新鮮に見えた。わざわざ友達と自転車で来ては、4人のりブランコだとか回転ジャングルジムなど、現在撤去されている比較的危険な遊具で遊んだものである。

そんなある日、頭の上をF-86戦闘機が編隊で飛んでいったことがあった。ブルーインパルスの機体が偶然、スモークを引きながら飛んでいった。

館林市が南北に移動する自衛隊機の通過点の一つというのはあとで知ることになる。住人が気がつかないだけで、頭の上を何度もブルーインパルス機が飛んでいたらしい。

とここまで書いてみて、他所の人にとってはこれはどうでもいいエピソードではと思い至る。このただの小さい公園が、館林市ではかなり古くからある市街地の公園ということはとりあえず書いておきたい。

そして三角公園から少し歩いた先にあるのが館林カトリック教会。

観月ありさの『天使のお仕事』などドラマのロケ地として、知る日ぞ知る場所。

キリスト教に特に関心などなかったときは、ほとんど存在が気にならず、また、どこの市もこれぐらいの教会はあるのだろうなと思っていたのだけど、こんなに大規模な教会は地方都市にそうそうないことに気がついた。

木立の間に立つ荘厳な教会は、木造の比較的大規模な建築。

年末はクリスマス期間なのでキリストの誕生のディスプレイがあった。

教会は1957年に建てられたものだという。当時は教会に来る信徒はほとんど日本人だったのではないかと思うけど、今は日本に住む外国人が多く、そういった方にとっても大切な場所になっているように感じられた。