Great Spangled Weblog

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レトロな単体露出計

実家にずっと死蔵されていたセコニックの露出計があった。結構前に自分で使おうと思って持ってきていた。

カメラの自動露出が進歩した今日、単体露出計の必要があるかというと、ある。

今もって、カメラの内蔵露出計は被写体が白いのか黒いのかを判断できない。

白いものを撮れば露出がアンダーになり、黒いものを撮れば露出がオーバーになる。

マルチパターン測光といった評価測光もそんな程度。太陽が画面に入るとかはさすがに大丈夫だけど、被写体の色は18%グレーかそれと同程度の輝度であろうと判断して露出を決めてしまう。

ミラーレスカメラで、撮影前後の動画から被写体を判断し、構図とピントから適正露出をAIが判断する、といったことにならないかぎり、被写体の輝度で露出がぶれる現象は終わらない。

その対応として、RAWで撮ればまあ上下1段ぐらいは露出をいじれるけど、そういったことをしないで済むならそれに越したことはない。

というわけで、黒い革ケースに入ったピカピカの露出計。

SEKONIC APEX MODEL L-218。発売が1968頃とのことでほぼ半世紀前の代物。

裏面。ボタンを押しても動作しないので背面をみたら電池蓋がある。

開けてみたら完全放電して若干サビが出てる水銀電池が出てきた。これはどうしたものかと思ってよく見たらケースの方にボタン電池アダプターが入っていた。どういうタイミングでアダプターを入手したのかは謎。

露出計の下にあるのが左から電池蓋の裏側、ボタン電池アダプター、そして右がボタン電池SR44。

乾電池の液漏れと違い本体の接点が生きてるようなので、アダプターに手持ちのコンサートライトからLR44を抜いて入れてみた。動かない。

いろいろやってみるうちに、LR44の消耗しきってないものを選定し、プラスマイナスを慎重に合わせてセットしたら、ボタンを押した途端に針がすっと動いた。

やたっ! 生きてる!

酸化銀電池のSR44を買ってきて装填し、これで年単位で使える状態にした。

ネットを探すとマニュアルもあって使い方も把握。

まず上面の白いキャップをスライドして動かす。上面のLの字の側に動かすと中のレンズをキャップが覆って、入射光式の露出計になる。

その下のスライドは、右に動かして「L」が見えるようにすると低輝度用。左に動かして「H」が見えるようにすると高輝度用になる。Hでは中で小さい穴の空いた板が動いてマスクする。

次にダイヤルの上段を回してISO感度を設定。そしてボタンを押す。下部のメーターで赤い針が動いて露出計の計測した輝度を示す。その値が▼の位置に来るように、ダイヤルの下段を回して黒い部分の数字を動かす。

針の数値と▼位置の数値が一致すると、右の「EV」とある窓にEV値が、上面の弧の部分にそのEV値と足してゼロになるような露出の数値が出る。各F値の上に出てる数字がシャッタースピードで、適性露出になる絞りとシャッタースピードがひと目で分かる。

ネットで調べると、水銀電池とボタン電池の電圧の違いから露出が変動するという情報があった。

ちょっと屋外で使ってみたのがこちら。

AEではこんな写真。

マニュアル露出はこちら。白い車が白く写り、アスファルト等が自然な明るさになってる。

屋外なら太陽光の強さが分かればEV値を固定できる。同じ照明のもとなら白いものは白く、黒いものは黒く自然に写る。反射光式で図るカメラの露出計はこれができない。

何で露出計がほしかったか。痛車イベントで太陽の明るさが決まってるのにいちいち白い車で露出が変わるだとか、それに合わせて露出補正するだとかをやめにしたいということ。これで今後は太陽の明るさを測って露出を決め打ちで撮れる。

まともに動作するレトロな露出計だが、プレミアでもついてるかと思ったらだいたい1000円前後というのでしょんぼり。

ちなみに新品を買うとけっこうする。露出計の使い方そのものは現行品も大して違いはない。追記・スマホアプリに露出計があります。

セコニック 露出計 ツインメイト L-208

セコニック 露出計 ツインメイト L-208

  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: エレクトロニクス

セコニック 露出計 スタジオデラックスIII L-398A

セコニック 露出計 スタジオデラックスIII L-398A

  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: エレクトロニクス