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松戸市21世紀の森と広場

11月3日の文化の日に、観光地は混むであろうからと、観光地と言うより地元の人の憩いの場である松戸市の「21世紀の森と広場」に行ってきた。

www.city.matsudo.chiba.jp

武蔵野線に乗っていると新松戸を過ぎた先に公園と橋が見えるのが気になっていた。2016年にニッコールクラブの撮影会があったので行ったことがある。今回そこにまた行った。

場所は新八柱駅で降りて北に15分程度歩いたところ。このあたりの台地が侵食されてできた谷戸を公園にしてある。もともとは千駄堀池という溜池とその上流の湿地帯だったようで、下流の都市化で農業用水の需要が減り公園の需要は高まり、湿地帯を埋め立てて公園にしたようだ。

道順は線路に沿って北上するだけ、と思って武蔵野線に沿って歩いてしまい少し遠回りをしてしまった。新京成に沿って北上が正しい。写真は公園を縦断する道路の左脇にあるブロンズ像。

門の前に椅子があって休めるようになっている。その椅子を覆うように植えてあるツル植物がアケビだと気づいた。そう思ってよく見ると実もなっている。熟しきって硬く乾燥しているので食べる気にはならなかったが、これだけ放置されているということは、他の人も食べるという発想はなかったようだ。

アケビは意外と市街地にも生えているが、実がなっているのはそうそう見られない。こんなところで見られるとは。

道路から階段を降りてトンネルをくぐって正門。森はもとからあるものを保存しているようだ。

この公園にまた来たいと思ったのは、台地との境界に湧水があること。湧水がどういう具合に出ているのかを再度確認したくなった。

台地の境界では急な斜面の下に堀があって水が流れている。この水が全部湧水。東側の広場の中央を川が西方向に流れていて、その源流が湧水。写真の右側から流れてきて中央で合流し左方向に流れる。湧水なので水はきれい。

芝生の北から。中央を右方向に水が流れている。

公園を縦断する陸橋と川。川の水はきれいで安心して子供を遊ばせることができる。

橋は横須賀紙敷線で、公園を縦断して作られた比較的新しい道路。連続アーチ橋に似せたデザインのPC連続桁橋で、バルコニーが設けてある。アーチ橋とは違い、橋脚と桁の間の継ぎ目部分に支承が見えないように配置されている。

川は公園の西の端で千駄堀池に注ぎ込む。下流側に土手があってため池と分かるが、ひところより水位はだいぶ低いのだと思う。

南側は水田などがある農業展示エリア。花壇に鮮やかに花が咲いている。

コキアと稲わら。

コスモス畑も。

公園管理事務所は二階にベランダがあって眺めがいい。ベランダそのものもこんな雰囲気。

事務所の北は食堂。この日は混んでいたので、外の屋台で買って食べることにした。

千駄堀池の北は湿地の保全エリア。一部は歩いて観察できるようになっているが、北の端は人の立ち入りを制限している。

公園に西部する前はこの低地全体がこれと同じような場所だったのだろう。最近野鳥とか撮るようになった自分だと、湿地のまま保全して控えめに歩道だけ整備してくれれば、となるが、周りがびっしり住宅地ではやはり芝生にした方が喜ばれる。湿地が保全されているのが見たければ北本自然観察公園へどうぞ、となる。

この日は夏日だったとかで、アオズジアゲハも飛んでいた。写真に撮ったらピントが後ろに行ってしまったw

帰り際に再度湧水を見に行った。歩道の下からだくだくと水が湧いている。

井の頭公園では周囲が宅地化されるとともに地下水位が下がって水が湧かなくなった。このあたりは住宅地として整備しても、工業用水などを地下からとることがなかったので、こうやって今でも水が湧いているのだと思う。

写真だと分かりにくいが、湧水の上で歩道が沈下を起こしている。垣根と地面の間に隙間ができるのを土嚢で塞いでいる。いずれは湧水による侵食が進んで歩道が分断されるのではと予測する。こうして湧水に侵食されたからこそ、台地との境界に急な斜面がある。谷頭侵食である。

望遠レンズも持って行ったが、変わった鳥は撮れそうになかったのでのんびり公園を散策するだけの旅になった。